4 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:30:01.92 ID:vHQ+gBM/0
悪いが、詳しい情報は全て伏せる。
娘は小学校の低学年で、俺は普通のサラリーマン。
嫁も、祖父祖母も元気で、普通の家庭だと思ってた。
上京した俺は、嫁とは大学で知り合い、そのまま就職と同時にゴールイン。
結婚二年目で、子供を授かった。
そこから幸せの日々。俺も割りといい企業に就職でき、
嫁も専業主婦として、家事と育児に力を入れてくれてた。
まぁ、ここら辺は割愛する。
5 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:30:49.12 ID:vHQ+gBM/0
娘が小学校に入学し、暫く経った頃。
入学祝いのついでに家族全員で、俺の実家に行く事が決まった。
有給込みで三日程滞在する予定。
俺の住んでた実家は、かなりド田舎で、何もない。
だけど、自然は素晴らしいと今でも思う。
娘も久しぶりにお爺ちゃん、婆ちゃんに会って楽しそうにしていた。
一日目には何もなかった。
だけど、二日目に問題が起きた。
7 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:32:06.55 ID:vHQ+gBM/0
娘がいなくなった。
五時には帰ってくる様に言ってたんだけど、
親父の飼い犬と散歩に行ったっきり、帰ってこなくなった。
あんまり遠くに行かない事を約束させて。
娘を少しの間自由にさせてた俺が悪いんだけど…。
親父は、母親と嫁に近所に訪ねて、
力を貸してくれる人を当たるようにお願いしてこいと言い
俺と親父は、トラックに乗り込んだ。
9 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:34:06.15 ID:vHQ+gBM/0
30分程経ち、数十人体制で捜索が始まった。
すると、予想外にも簡単に見つかった。
見つけたのは近所の人で、娘は森の入り口の小屋付近で寝てたらしい。
残念ながら、飼い犬は見つからなかった。
遅れて俺と親父が家に戻ると、嫁が娘を抱いていた。
俺自身、ブレ切れと心配でぐっちゃぐっちゃになってた。
娘を叱ろうと思ってたんだけど、寝てる姿を見て溜め息に変わった。
外傷も、衣服にも異常はなくて本当に安心した。
母親が手伝ってくれた方々にお酒と料理を出し、
俺もお礼を一人一人回りながら、飲んでた。
暫く経って、娘が目を覚ました。
俺が軽く叱ると、半泣きになり、それを嫁がなだめてた。
10 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:34:52.45 ID:vHQ+gBM/0
ここからの会話は明確に覚えてる。
嫁「ちーちゃん(娘)、なんであんな所で寝てたの?」
娘「うーん…。わかんない」
嫁「ワンコは?」
娘「お猿さんが連れて行った。」
この瞬間、空気が止まった。
親父も母親も、俺たち家族以外の動きが完全に止まった。
嫁「お猿さん?」
娘「うん、お猿さんとワンコと遊んでた。」
父「どんな姿やった?? どんな鳴き声やった??
触ったか??」
俺「おいおいおい!!」
掴みかかり、叫ぶように親父は娘に質問を浴びせていた。
娘は怯え、嫁の腕に飛び込んでいった。
12 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:36:36.44 ID:vHQ+gBM/0
父「アレがでよったかもしれん…。○○さんを呼べ…。」
親父がそういうと母親がどこかに電話をかけだした。
父「みんなはもうええ。ここからはうちの問題。有難うな。」
手伝ってくれた方々は「すまんな」「大丈夫だから」と言いながら、
ソサクサと帰って行った。
親父は猟銃を持ってくると、塩とお酒をそこら中に巻き始めた。
母「○○さん。三十分程で来てくれる!」
父「そうか…。△△(俺)、話がある。」
俺「…。」
親父が真剣な顔で話し出した。
この土地には土地神がいてるらしい。
その土地神は様々な富を落とすと言われているが、いい神様ではなく、
非常に残虐でもある。
動物にとり憑き、他の動物の臓物を喰い散らかすとの事…。
猿の姿で目撃される事が多いが、猪や人間も例外ではないと言っていた。
14 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:38:04.42 ID:vHQ+gBM/0
父「何にせよ、至近距離で接触し、生きていてるケースは珍しい。
接触した者が生きていれば、また向こうからまたやってくる事が多い。
ここ最近は見かけなくなったのに…。」
こんな事を真剣に話し出して、俺も苦笑いしてた。
嫁もどうしていいかもわからず、困っていた…。
そして、○○さん(以後、Aさん)が到着する。
見た目は品のある年配の女性で、スーツを着ていた。
親父と俺が状況を詳しく説明をする。
母親は黙って何か準備していて、嫁は寝てる娘を抱いてた。
父「助かりますかね?」
A「助かるかもしれません…。
おそらくアレなのは間違いない。
でも、幸いな事に接触してない。
この年頃だと好奇心が旺盛なんだけど、
この子自体が勘がいいのかもしれない。」
16 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:40:18.65 ID:vHQ+gBM/0
俺「何をするんですか? 娘は大丈夫なんですか?」
A「あなた、信じてないのは仕方ないけど、今は騙されたと
思って手伝って欲しい。悪い様にはしないから…。ね?」
正直、胡散臭いと思ってたし、この発言も信じられなかった。
親父がいつにもなく真剣で、それに煽られた感じだった。
Aさんが母親と一緒に準備を始め、途中に
「娘さんの髪の毛が欲しい。それも出来るだけ多く欲しい。」
と言ってきた…。
俺は断ったが、普段大人しい嫁が半な強引に娘の髪の毛を切った。
何故か娘は起きず、ずっと眠っていた。
19 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:43:41.86 ID:vHQ+gBM/0
A
「もしもの時の変わり身が必要。先に言うが、その人が必要になる時は、
変わり身自体が何の効果も持たないかもしれないほど、危ない状況。
勿論、両方死ぬと思うが、それでもいいなら変わり身を立てる。」
説明は続き、条件として
・血縁者である。
・娘と同じ性別である。
・歳が近い
が条件だった(別に守らなくてもいい。
もう、嫁しかいてないんだよね…。
だけど、俺は一度もそれを口に出せなかったんだよ。
家族全員で話し合ったけど、嫁は折れなかった。
21 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:46:21.61 ID:vHQ+gBM/0
まだ心から信じてなかったけど、もしもの事があったら俺は
二人同時に大切な人を見殺しにしてしまう。それが怖かった。
でも。嫁に説得させられて、代役に決まった。
娘の髪の毛と嫁の髪の毛を袋に入れ、そこにAさんが取り出してた紙を入れて、
お経のような物を唱え始めた。
それを嫁が持ち、Aさんは家の柱と言う柱に文字を書いたり、
紙を貼ったりしてた。
そこから特に異変もなく、時間だけが過ぎた。
相変わらず娘は寝ていた。
だけど、深夜を回った辺りから異変がおき始めた。
外で何かの鳴き声が聞こえてきた。
文字にするのは難しいけど、
「うぉもーす うもーす うぉもーす」みたいな唸り声に近い
鳴き声。それを聞いて、Aさんがバタバタし始めた。
23 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:48:31.33 ID:vHQ+gBM/0
俺「親父…。」
父「本当に来よった…。」
真剣な顔で猟銃に弾をこめ始めるのを見て、俺も怖くなってきた。
Aさんはお経を唱え始め、嫁は娘を母親に預けた。
「うおもーす。うおもおおおおおす」
声が近づいてくると、嫁にも異変が起きはじめる。
嫁「ヴヴヴウヴヴヴウヴヴヴヴヴヴヴウヴヴヴウヴヴヴ」
嫁が突然唸りだし、ドンドンと窓や壁に当たる。
後からわかったんだけど、このドンドンと当たってたものは犬の死骸の一部で、まだ新しかった。
親父は何も言わなかったのだが、そう言う事だと思う。
24 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:54:11.09 ID:vHQ+gBM/0
お経と唸り声、鳴き声?ですごい事になっていた。
俺も平静を装ってたけど、内心は死ぬほど怖かった。
呼吸も上手くいかず、鳴き声が近づいてくる事が本当に怖かった。
A
「今から、誰も一言も話さないで下さい。
それと、娘さんの口にタオルか何かで塞いで下さい。
今は何をしても起きませんが、念のためにお願いします。」
事前に話すな。と言われてたんだけど、嫁は既に唸ってた。
もう嫁がどうなるのか心配で、泣きそうになってた。
「ゔぉーもーす ゔぉーもーーす ゔゔ」
鳴き声が家の前で止まると、一定だった鳴き声が乱れ始める。
27 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:55:57.37 ID:vHQ+gBM/0
赤ん坊?みたいな声が玄関から聞こえてきた。
親父は無言で、猟銃を玄関に向ける。
Aさんはお経を唱え、嫁は唸ってる。
「あけてー あけてー あけてー もうず 」
これをそれはひたすら繰り返していた。
性格には あけてー↑ と楽しそうにしていたように感じる。
玄関から離れようとはせず、ノックもして来ない。
俺は何故かわからないけど、この状態でピザ注文したら…。
とかわけわからんこと考えてた。
何時の間にか嫁が唸るのを辞め、ユラユラしてた。
28 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 19:56:43.23 ID:v72sc6+Z0
ピザwwwww40 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:03:48.70 ID:vHQ+gBM/0
>>28
自分でも何故か、ピザとか考えたのかわからない。
でも、半笑いでそんな事考えてた…。
34 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:00:15.77 ID:vHQ+gBM/0
もう俺はパニックで、震えてた。
だけど、怖くて動けなくて、ただ玄関の方を見てた。
「あけてーーー あけてーーー 」
多分、それは十分ぐらい続いた。
次第に鳴き声聞こえなくなると、五分後ぐらいには静かになった。
嫁は何時の間にか、座ったまま寝てた。
A「どうやら行った様ですね…。」
俺「嫁と娘は大丈夫なんですか?」
A
「えぇ、恐らくは…。でも、もうこの土地には帰ってこないように…。
それと深い山にも今後は一切入らないように…。
あれは諦めが悪いですから…。」
35 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:01:39.50 ID:Um59JiKx0
実家に帰れなくなったのか40 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:03:48.70 ID:vHQ+gBM/0
>>35
帰れなくなりました。
俺自身、この事に興味が湧きました。
とは言っても守る術や情報が欲しかったのです…。
結局、父親は詳しい事は言ってくれませんでした…。
ですから、直接、Aさんにアポもとらず自宅に乗り込みました
38 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:03:41.09 ID:Um59JiKx0
そんな怖いのが居るのに1はそこで生まれ育ったんでしょ
今まで何も聞いてこなかったのか?
46 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:11:08.03 ID:vHQ+gBM/0
>>38
いえ、特には何も聞いてないです。
普通に友達と山付近でも遊んでましたしね。
でも、山は霊以前に危ないとの認識は教えられてきたのでありました。
Aさんは驚いたようでしたが、俺が家族が心配性だと粘ると自宅に上げて下さいました…。
自宅は広く、清潔感に溢れていました。
俺「あれはなんなんですか?」
A
「言い伝えや呼ばれ方は様々です。
一貫してるのは、山に住み、動物を喰らう。と言う点です…。
動物に取り憑き、山を徘徊します。取り憑かれた動物は
次第に腐り、腐りきり前に別の器を探します。」
ここから、覚えてるだけ書く
あれは残虐で決していいものではないが、
同時に恵や富をもたらすとも言われている。
あれが住む場所はそう言う因果があるのではないか。
と言っていた。
人を攫う事もあり、憑依するか、喰うかはわからない。
41 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:06:53.09 ID:QEc1c4670
>>23>後からわかったんだけど、このドンドンと当たってたものは犬の死骸の一部で、まだ新しかった。
44 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:09:21.11 ID:5ffturxGO
>>41娘が散歩連れてった犬の死骸じゃないか?
50 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:14:51.45 ID:vHQ+gBM/0
>>44
恐らくそうでしょう。
残骸の一部に毛が残っていて、その毛がそっくりでしたから。
Aさんの話では、生きたまま喰うらしいです…。
俺も独学で調べてみると、
ヒサルキと言うものを見つけました。
姿は娘しかみてないのですが、
非常に酷似しているようのに思えます。
因みに、娘と嫁に異常はなく、元気です。
嫁にあの時の事を聞いてみると、
途中から記憶がないようで…。
以上です。有り難うございました。
48 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:12:48.06 ID:kHat2mm60
家ん中に入れてたら、喰われてた?51 :名も無き被検体774号+:2012/09/24(月) 20:18:35.18 ID:vHQ+gBM/0
>>48
あぁ、それも訪ねました。
A「わからない」
らしいです。
Aさん自身も、これが二度目らしいです。
先代?の方も同じように追い返したらしいのですが、
屋根で暴れたとの話はあっても、家に上がってきたとの話はないとの事。
あれは、こちらが招き入れないと入れないそうですが、
接触したものは招き入れるらいいです。
コメント一覧
家の外から音がしたってことでいいのか?
本家No.34744を見習え
長いやつは読みやすいような工夫がないと評価しづらい。
配達員「こちら、ピザハットでーす」
うおもおおす、うおもおお
配達員「!?」
おかげで全く怖くなくなったんだけど、同時に怖さにワクワクした気持ちとかもどっか行ったわ
うまく言えないけどなんか大事なもんが
ホラー苦手なのに見ちゃうんだよね
こえーーーーーー!--
No.2449 ヤマノケ
No.17750 メッセージ
まで読んだ
もしかして大企業は何とか手当てとかいうものが出るのか?
一生山登りやキャンプ、林間学校にも行けないなんて。
こんな理由じゃ納得できないだろ?
と、マジレスすまん
山に入れない子がいても不思議ではないんじゃね。