170 名前:酒と泪と男と漢 1/2[sage] 投稿日:2009/10/07(水) 10:25:49 ID:SWUx4Vul
井門亀右衛門は、単身敵城に忍び込み敵将の首を掻いたり、関ヶ原の戦いの際、田辺城攻めに参加し、城方の矢弾が雨あられと降りそそぐ中、単騎殿軍を果たしたりした
剛の者だったが、関ヶ原後に主君・赤松氏は切腹となり、浪人の身となった。
次に亀右衛門が仕えたのは、なんと田辺城主だった細川幽斎の子・忠興だった。
かつての敵を細川家は温かく迎え入れ、益田蔵人という親友まで出来た。
しかし良い事は長く続かず、親友・蔵人が危篤に陥った。臨終の床で蔵人は息子と
亀右衛門を呼び、息子には
「これからは亀右衛門殿を父と思い、夢にも逆らうな。」
と言い、亀右衛門には
「日頃のよしみを忘れぬならば、こやつをおぬしの子と思って導いてくれい・・・」
と言って愛用の扇を亀右衛門に譲り、息を引き取った。
さて、蔵人の子は父の名跡を継いでそのまま益田蔵人を名乗ったが、この二代目蔵人
酒癖が悪く、昨日はあちらで宴会、今日は遊郭と、放蕩の限りを尽くしていた。
「・・・・・・」
ウィーヒック「おや!これはこれは井門どのー!」
「・・・蔵人殿、その有様では父上があの世で嘆いておられるぞ。」
「いやはや、ごもっとも!それでは、宴席の約束がありますので失礼!」ウィー
(・・・これは荒療治をせねばなるまい・・・・・・)
171 名前:酒と泪と男と漢 2/2[sage] 投稿日:2009/10/07(水) 10:26:35 ID:SWUx4Vul
益田蔵人は江戸勤番を終えた帰国の途中で、異様なものを見た。旧知の井門亀右衛門が武装した十数人の供を従え、江戸へ向かおうとしていたのだ。
「い、井門どの、その姿は何事ぞ?!」
「なんじゃ蔵人どの、知らぬのか?いよいよ大阪で戦じゃ。我らが殿も江戸にて軍を整え、
将軍家に従い出陣するとの事。わしもとりあえず人数を揃えて、江戸に向かうところよ。
おぬしも早く国許に帰り、郎党を集めて江戸に戻られい。」
それを聞いた蔵人は、顔を青くして汗を滴らせた。
「どうした、蔵人どの?おぬしの知行ならば、軍役として数十人は連れて行かねばなるまい。
こんな所でモタモタしているヒマはないぞ。早く帰られよ!」
蔵人は、ついに泣き出した。
「じ・・・実は日頃の酒色がたたり、数十人も養えるだけの蓄えがござらぬ・・・」
「何と!ならばどうする?」
「こ、この上は、潔く腹かき切って殿と父に詫びる所存。介錯をお願い致す・・・」
「良く言った。その覚悟で、以後は武道に励むべし。」
「?い、井門どの、どういう事ですか?」
「戦はウソじゃ。おぬしの帰国に合わせて、一芝居打ったのよ。」
「そんな・・・どうしてこんな酷いことを・・・」
「おぬしのご尊父に代わって折檻せんが為よ。現在は太平なれど、大阪の出方によっては
いつ東西に風雲起こるとも限らん。その時、今のごときうろたえたる様にて何とする?
おぬしの知行は酒色の為に賜わったものか?禄盗人とはおぬしが事じゃ!」
叫んだ亀右衛門は、懐から先代蔵人形見の扇を取り出し、ピシリと蔵人の頭を打った。
これが堪えた蔵人は帰国すると、蒐集した美服等を全て焼き捨て、食事に酒・魚・肉を除き
倹約に努めた。数年後、実際の大阪の陣の際には、軍役をはるかに超える人数を揃え、
家中を驚かす活躍を見せたという。
コメント一覧
書にも載らないような話だろうて
それも今見てきたかのような書き方だし
装飾してるのか?してるよな?してなかったら
世話好きなおっさんと飲んだくれの話だもんな
空見てみろよ。綺麗なギャー!!!!
ほとんど創作か酷い脚色がされている
今も昔も放蕩息子と酒癖に悩んでる人は多く、厳しくも優しい父親は格好いいと言うことだな
酔っ払いっぽい台詞なら枚挙に暇がないが
擬声語となると確かに…
士道不覚悟
管理人、勝手に殺すなよ
真贋論争なんて無意味