851: おさかなくわえた名無しさん 04/03/11 01:59 ID:rOP3x8p5
幼稚園の頃、一度だけ父が夕飯を作ってくれたことがあった。
いつもなら、母が不在の時は、近所の親類宅に厄介になっていたのに、
何故か、その日だけは父が食事を作ってくれた。
優しい子煩悩な父だったが、如何せん“男子厨房に入らず”な教育を
受けて育った人だったので、それまで料理なぞ作った事もなかったと思う。
それが、子供のために悪戦苦闘して台所に立つ姿は、幼心にも胸に迫る
ものがあった。
案の定、料理は失敗し、父はすまなそうに謝りながら食卓に並べた。
硬い御飯、真っ黒に焦げた大きなオムレツ、塩っ辛いホウレンソウ炒め。
三十年以上経った今でも、鮮明に思い出す。
でも、私には、それらはとても美味しく感じられたのだ。
苦くてジャリジャリしたけど、お水をガブガブ飲むほど辛かったけど、
美味しくて美味しくて、一生懸命沢山食べたと思う。
帰宅した母に、父は『○子は良く食べる』と嬉しそうに報告したそうだ。
結局、父の手料理を食べたのは、その時一度っきり。
今、父は、体も心も少しずつ動かなくなる病と闘っている。
お父さん、あの時の料理、美味しかったよ。
お父さんが忘れても、私がずっと覚えているからね。
879: おさかなくわえた名無しさん 04/03/11 17:25 ID:dFIJUN6Q
>>851と似てるが、
うちの父親はそば打つのが好きだった。
そば打ちキット買って来て、
そば作りのハウトゥービデオとか見たりして、
父は熱心にそばを打ちはじめた。
父の作ったそばは最初全然おいしくなかった。
麺も太くてコシなんかなくて、ボソボソで、湯で加減も最悪。
「まずいよ。お父さん。こんなの食べられないよ!」と
ぼやく家族。
すると父は拗ねだして
「もうお前らには食わさない!」と言って
怒ってそばを流しに全部捨てた。
それでもまたそばを打ち始める父。
毎週末になると決まって父の不味いそばを食べさせられて
家族はうんざりしていた。
でも、だんだん慣れてきて、味もましになってきた。
「最近やっと食えるようになってきたね、お父さん。」
と言う家族のほめ言葉に少し照れながら
「うるさい、俺は飲み込みが早いんだ」
とぶっきらぼうに答える父。
880: 879 04/03/11 17:26 ID:dFIJUN6Q
それからしばらくして、
今週末もそばか…なんて憂鬱に思っていたら、
父が難病を発祥したと母から聞かされた。
体が段々動かなくなって、やがて死に至る。
父がそば作りをやめて4年経った。
父のそばは二度と食べられない。
でもまだ父はなんとか生きてる。
それだけで家族は幸せに思う。
幼稚園の頃、一度だけ父が夕飯を作ってくれたことがあった。
いつもなら、母が不在の時は、近所の親類宅に厄介になっていたのに、
何故か、その日だけは父が食事を作ってくれた。
優しい子煩悩な父だったが、如何せん“男子厨房に入らず”な教育を
受けて育った人だったので、それまで料理なぞ作った事もなかったと思う。
それが、子供のために悪戦苦闘して台所に立つ姿は、幼心にも胸に迫る
ものがあった。
案の定、料理は失敗し、父はすまなそうに謝りながら食卓に並べた。
硬い御飯、真っ黒に焦げた大きなオムレツ、塩っ辛いホウレンソウ炒め。
三十年以上経った今でも、鮮明に思い出す。
でも、私には、それらはとても美味しく感じられたのだ。
苦くてジャリジャリしたけど、お水をガブガブ飲むほど辛かったけど、
美味しくて美味しくて、一生懸命沢山食べたと思う。
帰宅した母に、父は『○子は良く食べる』と嬉しそうに報告したそうだ。
結局、父の手料理を食べたのは、その時一度っきり。
今、父は、体も心も少しずつ動かなくなる病と闘っている。
お父さん、あの時の料理、美味しかったよ。
お父さんが忘れても、私がずっと覚えているからね。
879: おさかなくわえた名無しさん 04/03/11 17:25 ID:dFIJUN6Q
>>851と似てるが、
うちの父親はそば打つのが好きだった。
そば打ちキット買って来て、
そば作りのハウトゥービデオとか見たりして、
父は熱心にそばを打ちはじめた。
父の作ったそばは最初全然おいしくなかった。
麺も太くてコシなんかなくて、ボソボソで、湯で加減も最悪。
「まずいよ。お父さん。こんなの食べられないよ!」と
ぼやく家族。
すると父は拗ねだして
「もうお前らには食わさない!」と言って
怒ってそばを流しに全部捨てた。
それでもまたそばを打ち始める父。
毎週末になると決まって父の不味いそばを食べさせられて
家族はうんざりしていた。
でも、だんだん慣れてきて、味もましになってきた。
「最近やっと食えるようになってきたね、お父さん。」
と言う家族のほめ言葉に少し照れながら
「うるさい、俺は飲み込みが早いんだ」
とぶっきらぼうに答える父。
880: 879 04/03/11 17:26 ID:dFIJUN6Q
それからしばらくして、
今週末もそばか…なんて憂鬱に思っていたら、
父が難病を発祥したと母から聞かされた。
体が段々動かなくなって、やがて死に至る。
父がそば作りをやめて4年経った。
父のそばは二度と食べられない。
でもまだ父はなんとか生きてる。
それだけで家族は幸せに思う。
コメント一覧
「何か裏があるんじゃないか?」と疑われるのは仕方ない
というワケでイラネ押しとく
そういえばさっきからどうも手がうご
俺いつもレシピ見て適当につくってるけど、
ある程度食べられる味になるぞ。
父親が病気なのはともかく
料理については、創作決定!
>怒ってそばを流しに全部捨てた。
いかんな。「おそばさん、ごめんなさい」と謝りながら
全部食わなくちゃ。
おまけにもう食わさないと言ったのにまだ食わすし。
好き放題もいい加減にするべき。
本文読んでないが安心した、胸糞要素はちゃんとあるのかw
また違うIDで謝罪に来ちゃうでしょ!