正月といってもコンビニもファミレスも営業している。
元日の深夜、たばこを切らしてコンビニへ行く。
レジの前に並んでいる青年が正月らしからぬ弁当を持っている
▼実家に帰らないのだろうか。コンビニの弁当がたまたま食べたかっただけならいいが、どうも引っ掛かる。
<行くところなき身の春や墓詣(はかもうで)> 永井荷風。
正月のにぎやかさは光となり、かえって心に映る影を濃くする
▼永島慎二さんの代表作『漫画家残酷物語』に家出し正月を下宿で過ごす若者の話(『春』・一九六三年)がある。
「下宿のふとんの中で除夜の鐘を聞いていたら自分の生活がとてつもなく寂しく思えて」
「おとなしくしていれば、みんなニコニコおとそをのんで、おめでとうが言えたのに」
▼これに着想を得た曲が、はっぴいえんどの「春よ来い」である。大滝詠一さんが十二月三十日に亡くなった。「春よ来い」は大滝さんの部屋で松本隆さんが永島さんの漫画を見つけて歌詞を書いた。作曲は大滝さんで
七〇年のデビューアルバムのA面の一曲目に収録。彼らが目指した「日本語ロック」の嚆矢(こうし)といえる
▼大滝さんは「春よ来い」の歌唱について民謡歌謡の三橋美智也と浪曲の広沢虎造に影響されたと言っている。
正月の孤独に耐える青年の気持ちをしぼり出すように叫ぶ
▼コンビニの元気のない青年はどうしただろう。春よ来いである。
元日の深夜、たばこを切らしてコンビニへ行く。
レジの前に並んでいる青年が正月らしからぬ弁当を持っている
▼実家に帰らないのだろうか。コンビニの弁当がたまたま食べたかっただけならいいが、どうも引っ掛かる。
<行くところなき身の春や墓詣(はかもうで)> 永井荷風。
正月のにぎやかさは光となり、かえって心に映る影を濃くする
▼永島慎二さんの代表作『漫画家残酷物語』に家出し正月を下宿で過ごす若者の話(『春』・一九六三年)がある。
「下宿のふとんの中で除夜の鐘を聞いていたら自分の生活がとてつもなく寂しく思えて」
「おとなしくしていれば、みんなニコニコおとそをのんで、おめでとうが言えたのに」
▼これに着想を得た曲が、はっぴいえんどの「春よ来い」である。大滝詠一さんが十二月三十日に亡くなった。「春よ来い」は大滝さんの部屋で松本隆さんが永島さんの漫画を見つけて歌詞を書いた。作曲は大滝さんで
七〇年のデビューアルバムのA面の一曲目に収録。彼らが目指した「日本語ロック」の嚆矢(こうし)といえる
▼大滝さんは「春よ来い」の歌唱について民謡歌謡の三橋美智也と浪曲の広沢虎造に影響されたと言っている。
正月の孤独に耐える青年の気持ちをしぼり出すように叫ぶ
▼コンビニの元気のない青年はどうしただろう。春よ来いである。
コメント一覧
青年の心配する自分に酔いたいだけなんだろどうせ
青年は年末年始も働きづめなのかも知れないし、俺は年末年始は8連勤で死んでたわ。コンビニのおかげで仕事ができました。コンビニのおかげで生きていくことができました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
別に淋しくも侘しくもない
ふと切なくなることがあるわけです。
コメ欄にただ一文字残しただけの荒らしにさえ、何かやなことでもあったんだろか、
構って欲しいんだろうか、頑張って生きて毛よなどと思いながらスルーするのです。
小腹がすいたのでコンビニ弁当買いに行ったらオッサンが一人でどうとかいう
春が来ても夏が来てもこの筆者は満員電車のなかで我慢できず
下痢便を大量に漏らせばいいのに。秋がいっても冬がいっても
この筆者は上から目線の物言いがムカつかれてオヤジ狩りDQNに
寒風の公園で全裸にひんむかれて公開脱糞させられたらいいのに。
ものすごく才能のある人だった。
下のリンク先の、最後の方を読んだとき、こんなことのできる人が
いるのかと驚いた。
風待茶房 カフェのお客様 大瀧詠一
http://web.archive.org/web/20020207025923/http://www.kazemachi.com/cafe/004/index.html
http://web.archive.org/web/20041212231033/http://www.kazemachi.com/cafe/004/page1.html
(2000年2月21日の、松本隆との対談)
でも文章構成はこういう欄にアリガチな『適当なネタ+短歌or俳句or歌+時事ネタ+最初に戻って締め』ってだけだし、
おっさんが正月にコンビニに来てる若者に何か感傷を覚えるのもまあアリガチでは?
赤の他人に「うわー正月にコンビニ弁当食べててカワイソー。ねぇねぇあの人お正月なのにコンビニ弁当ですよ!カワイソーですよね!」とか言われたら腹も立つ。
そもそも元旦から買い物に来る筆者のような人間がいるからこそ、正月にまで働いてコンビニ弁当の若者が生まれるのに、なぁーにがカワイソーだよこのやろう。
というわけで怒っているのです。
正月でも仕事帰りだとか、卒論の作成に追われてる最中とか、
家族は帰省したけど、自分は風邪ひいて留守番中とか、事情はいろいろあるだろうに。