497 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2014/02/08(土) 23:26:56.36 ID:o3Eq4je3
流れ豚ぎって俺の先輩の武勇伝投下。文章下手&あんまりスーッとしないかも。高校の時、地獄のミサワのキャラクターを濃縮したような調子に乗った奴がいた。(以下、そいつをミサワと呼ぶ)
「アメリカにいるおじさんから聞いた話なんだけど~」
「模試、学年2位だったorz俺ってば超馬鹿orz」
「チーズとワインって黄金の組み合わせだよな。おっと口が滑った」
「っけねーうっかり持ってきちゃった(ROLEXって書かれた腕時計を見せつつ)」
などなど、香ばしい自慢を披露しまくる。実際奴は頭良かったし、自慢癖を除けば悪いやつではなかったので相手をしていた。
あるとき、やつは「うっかりポケットにry」と言いながら十徳ナイフ(赤くて、白い十字がついてるアレ)を見せびらかしてきた。
「スイスにいる知人がry」
「アメリカにいたときの癖でry」
「世界的に有名なメーカーの高級品ry」
とさっそく自慢を始める。
またか……と思って適当に相槌をうっていたらさらに調子に乗り、
パチパチとナイフを出したりしまったりしだした。
完全に「ナイフ持ってきちゃうカッコいい自分」に陶酔してる様子で、「この冷たい感触、ぞくぞくするね」とかこっちがぞくぞくするようなセリフを吐く。
厨二病乙と思いつつ軽くたしなめるもしまわない。
その時、おもむろに教室のドアが開いた。
499 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2014/02/08(土) 23:29:36.65 ID:o3Eq4je3
「俺くーん、ちょっと失礼するよー」と呼びながら入ってきたのは俺の部活の先輩(女)。
「今度の合宿の資料なんだけど……」
言いかけてふと、ミサワの手元に視線が行き、硬直。
ミサワはドヤ顔でナイフをこねくり回している。
さすがにびっくりするよな、教室でナイフいじってる奴なんてそうそういないもんな。
なんて思ったら、先輩は斜め上の行動をとった。合宿の資料を俺に押し付けるや否や、ミサワに向かって
「それ、ビクトリノックス!?貸して!」
と一言。目がキラキラしてた。餌を前にした犬みたいだった。
ミサワは虚をつかれたのか「えっ?えっと」といいつつポケットにしまおうとしたが先輩によってガッと手首を掴まれる。
先輩「君もナイフ好きなんだね!どこで買ったの?未成年には売ってくれないとこばっかりじゃん?おねがい教えて!」
ミサワ「スイスの知人から……」
先輩「マジで!本場もん!?すご!ねー、どの種類?このサイズだとスモールオフィサーシリーズかな、ちょっとみせて」(ナイフ奪う)
ミサワ「いや、あの」
先輩「ん?」
ナイフをいじる先輩の頭上にはてなマークが浮かぶ。
先輩「ブレードの刃、薄すぎない?」
先輩「このサイズのシリーズでハサミつきモデルなんてあったっけ」
先輩「プラスドライバーとコルク抜きが一緒についてるね????」
先輩「……これパチモンじゃない?」
俺「いや、こいつさっき世界的有名メーカーの高級品だって言ってましたよ」
先輩「嘘ぉ!ショッーク!そうなの?君。これどこのメーカーの?」
キョドるミサワ。不思議そうな表情の先輩。
501 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2014/02/08(土) 23:40:25.40 ID:o3Eq4je3
先輩「キーリングが反対側にあるし……あ、もしかしてレザーワーとかのナイフかな」ミサワ「そ、それです!(すかさず)そんなこと言ってました!」
先輩はそれを聞くとナイフをもとに戻し、ミサワに返した。そして首をかしげて言った。
「スイスの知人が、アメリカの会社のナイフをくれたんだ?」
ミサワ大混乱。どうやらカマをかけられたらしい。ふじこるミサワにさらに畳み掛ける。
「あのね。いくらナイフが好きって言っても、学校に持ってきちゃダメだよ。この大きさなら銃刀法違反にはならないけど、軽犯罪法には触れちゃうから。ね?」
「見せびらかすなんてもってのほかだよ!ナイフは家でこっそりにやにや楽しむか、アウトドアでクールかつワイルドに使わなきゃ!」
「本当にナイフが好きなら、こんなホームセンターで売ってるような紛いもんじゃなくてちゃんとしたメーカーのがいいと思うよ。危ないし。びくのなんてそこまで高くないしね。私のオススメはインカー(?)っていって……」
先輩は俺が入ってる部活の他に、放送部にも入ってる。素晴らしい滑舌と豊富な語彙を駆使し、20分くらいノンストップでナイフの正しい楽しみ方を説いた。
昼休み終了五分前のチャイムが鳴ってようやく本来の用事を思い出し、慌てて俺に資料の説明をしたあと
「じゃあな同志よ!健全なナイフライフ楽しめよ!」とミサワと握手して軽やかに出ていった。
説教(というか先輩の一方的なナイフ語り)の間、普段は饒舌なミサワは一言も喋らなかった。楽しそうに語る先輩に圧倒されていた。
502 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2014/02/08(土) 23:45:16.93 ID:o3Eq4je3
先輩がいなくなった途端、注目して静まり返っていたクラスにいた連中は爆笑。ふてぶてしい表情だったミサワもつられて恥ずかしそうに苦笑い。
後で白状したが、そのナイフは本当にホムセンで買ったものらしい(1000円くらいで)。どこのメーカーかも分からないような正真正銘のパチモンだそうだ。
この一件のおかげで、ミサワが厨二病全開の自慢をすることはなくなった。
ナイフについて語る先輩は普段ののほほーんとした挙動からは考えられないほどイキイキしてた。部室でほうじ茶を淹れてのんびり菓子食ってるような姿しか見たことなかったから俺もかなり驚いた。
ちなみに先輩曰く、
「ああいうナイフが好きなのにビクトリノックスもレザーワーも知らないなんて、任天堂とソニーを知らないゲーマーみたいなもんだよ」とのこと。
「ナイフ好きな人、まわりにあんまりいないからつい興奮しちゃった(´・ω・`)一方的に話してごめんなさい。お友達さんに謝っといてー」
いやいやこちらは自慢大会につきあわされなくなり感謝してますw
予想以上に長文になった……文章めちゃくちゃでスマソ。
ナイフオタの先輩の武勇伝?でした。
コメント一覧
いい話
趣味の話をしてるときだけ生き生きする気持ちはわかる
でもキモー
いまでは投稿者が立派なナイフマニアなんだろうなぁ。
がないと(例文)
えっ、突き合うとかなにそれこわい(´・ω・`)
拗らせてただけで根は超まともだな
こういう時は恥ずかしくてファビョる奴の方が多いし