195 名前:人間七七四年[] 投稿日:2008/12/10(水) 21:09:59 ID:zeTBILKr
茶坊主の肝試し豊臣秀頼が大阪を治めていた頃のお話
ある時、大阪に多くの獄門首が出た。
秀頼の家臣、伊藤丹後守は若い者達を試そうと思い、
「誰か、あの獄門場に行って来ようという勇気のあるものはおらぬか?」
と言うと、その場にいた、12歳になる茶坊主が、
「そんなもの簡単です。腰刀をいただけるなら私が行きましょう。」と、自信満々に言うので、
行かせて見た。
少年は獄門場におもむき、証拠として首ごとに飯を口に押し込んでいった。
するとそのうちの一つの首がなんと、飯をむしゃむしゃと食い始めた!
が、少年はそれに驚かず、スルーして他の首に飯を詰め始た。すると飯を食い終わった首が
話しかけた
「もっと食わせろ」
片腹痛く思った少年は、「おお、食わしてやるぞ!」と、腰刀で眉間を抜き打ちした。
帰ってきた少年に、伊藤丹後守がニヤニヤしながら「何かなかったか?」と聞いてきたので
これこれこう言うことがありました、と答えると、丹後守は仰天した。
実は彼は、獄門場におもむいたものを驚かせようと、あらかじめ人をやって、首のふりを
させていたのである。
ところがこの男、驚かせるどころか額を切りつけられ怪我をし、又世間の笑いものにもなり、
もう散々であったとか。
この少年、安芸の刀鍛冶、冬広の子であったそうだ。
大阪の陣の後冬広は彼を探したが、どこにもいなかった。
勇敢な子だったから、きっと戦に出て討ち死にしたのだろう。そう、伝わる。
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「おお、食わしてやるぞ!」
と、童顔に似合わず隆々といきり立つ逸物を、口の中に捻じ込んだ。