986 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 00:27:53.42 ID:oaMrF1UH
関が原の戦いの後、安芸・備後四十九万八千石の大封を得た福島正則は、積極的に人材を登用した。その日も重臣の梶田出雲が、正則の前に仕官希望者を連れて来た、が。
「お前の連れて来る奴はアクの強いのが多いが、今日はまた格別じゃな・・・」
「ははっ。」
小田孫兵衛と名乗るその男、歳は七十過ぎ、身にまとうは使い古しの紙子羽織という有様だった。
「で、ですが殿!この孫兵衛どのは、今でこそ落ちぶれ果ててはおりますが、かつては毛利家に仕えて
侍の諸芸を修め、備中にて一城さえ任されたる者。
御広間の番等、つまらぬ職でも構いませぬ。二百石、いや百五十石!なにとぞ、なにとぞ騎馬武者として
孫兵衛どのの顔が立つ程度に、知行を与えてやって下され!この通り!!」
「よし、千石出そう。」
「「!!?」」
「何を驚く。お前今、『城主を勤めた』と言うたじゃろが。そういう男はな、二百や三百石与えたところで
ものの役に立たん。ケチケチせずに千石もポンとくれてやった方が、本領を発揮するものよ。」
正則の言葉に肝を潰した孫兵衛だったが、一夜明けると使い古した紙子を脱ぎ捨て、
天晴れ一城の主の如き威風を取り戻していた。(福島太夫殿御事より)
コメント一覧
口先だけの老いぼれならビビって逃げ出す…それを試したんじゃないかな
中国の膿吸い出すのと同じだ。
豪快に外したね
定年になった人がものの2週間で「仕事してない人」の顔になっててワロエなかった。
男に限らないよ?誰だってそう。
毛利の所領を巧いこといただくことができた。だからこの爺に
年金代わりにそのくらい与えてやってもよかろうと思ったっす
かつてのこいつの所領