931 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/19(月) 22:47:52.49 ID:R1/uJbW+
浅野弾正長政はかつて、柳川に至って立花宗茂の客となった事があった。この時宗茂は、長政を伴い一日、鷹狩を行った。
ところが田園を探し尽くしても獲物を獲ず、たまたま飛ぶ鴨を見つけても、
鷹は普段は敏捷なこと無双なのに、この時は一羽も捕らえることが出来ず、
宗茂は甚だ不満な有様であった。
帰路、田の畦のはるか向こうに一羽の鴨を見つけると、宗茂は長政に向かって言った
「今日の狩りでは、鷹はその功を奏することができませんでした。
あなたの為に、あの一羽を獲りたいと思います。」
そうして矢を引き絞り、14,5間(約25~27メートル)隔てた鴨に向かって射ると、
一発、直ちにその鴨を斃した。
浅野長政はその妙技に大いに驚いたが、なお一箭を残していた宗茂は、これを弓に当て
従者を呼んで
「鳥はいないか!?鳥はいないか!?お前たちどうして捜さないのだ!?」
そう次の獲物を捜させるが、長政はこれを止めて
「あなたの射術の妙技については、私は既にこれを理解しました。
しかし、もし今一度これを試みて万一失敗すれば、前功もたちまち虚しくなるというものです。
再び行うのは、止めた方がよろしいでしょう。」
しかし宗茂は笑って答えず、と、この時一羽の鴨を見つけた。
翩々としてススキの穂の上の方におり、頭と尾がわずかに見えた。これは「ほう白」であった。
宗茂はこれを見るや直ちに矢を放つと、左翼を貫き「ほう白」は地に落ちた。
長政は宗茂を喝采し、いよいよその妙技に感心したという。
(古雄逸談)
コメント一覧
の方のガル茂しか知らない
しとど(鵐/巫鳥)とも。サイズ的にはスズメ。
その左翼を射抜いたというのだから、どれほど弓の腕がキチガイじみてるかよく分かるな。ゴルゴか。