564 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/08/19(水) 22:47:02 ID:CxFPk1fy
壬辰(1592)年四月朝鮮に上陸した日本軍は各地で朝鮮軍を破り、進撃を続けていた。
この状況に宮廷では日夜守備防御の方策を論議した。
ある人が建議して
「賊は刀槍を巧みに用いるが、我々にはこれに対応できる堅甲がなく故に対抗できずにいます。
分厚い鉄で満身甲の長い物を作って全身を見えなくし、それを纏って賊陣に入れば
賊は隙間がなくて刺す事が出来ず、我々が勝つことが出来ましょう。」
多くの人がなるほどと頷いた。
そこで大勢の工匠を集め、昼夜をかけてこれを鍛造した。
私は一人これはだめだと思い
「賊と戦うには雲のごとく集まり鳥のごとく散り、敏捷なるを貴しとします。
ところが全身に分厚い甲を纏っていては、その重さに耐え切れませんし身動きできません。
どうして賊を殺す事などできましょうか。」と言った。
数日してその使用しがたい事が分かり、結局中止となった。
また台諫(国王の監察官)が大臣達に会見を求めて、計略について言上した。
そのうちの一人がえらい剣幕で大臣達になんの謀がないことを非難した。
座上の者が「ではどんな策がありますか?」と問うたところ
「漢江畔に数多くの高棚を設けて賊が上がれないようにし
上からこれに射掛けるという策をなぜとらないのですか?」と答えた。
ある人が「賊の鉄砲玉もまた上がってこれぬのでしょう。」と言うと
その人は一言もなく退いた。
聞いていた人々がこれを伝えて大笑いした。
柳成龍『懲録』
コメント一覧
ウソ確定
アク禁おめでとう
>その人は一言もなく退いた。
この返しの意味が分からん……
出世できる国の上層部じゃこんなもん
敵軍が銃を大量に持ってるのに「高いテラスから弓で射れば一方的に勝てる」
とドヤ顔で献策してる物知らずへの皮肉でしょ
なるほど
屋台の射的屋みたいになっちゃうもんなw