356 名前:人間七七四年[] 投稿日:2014/07/26(土) 08:10:32.06 ID:NhOkfCQj
天正元年十月八日、赤松則房の置塩城に、宇野下野守(長水城の宇野氏の関係者)がやってきて、夜食が出された。
宇野からはホラ貝、鷹1羽、鯉2尾、鯛5枚、宝命酒(薬酒)5升、
家長(原文ママ)平瀬清左衛門からは鴨2羽、勝男(鰹節)10節が献上された。
宇野は広間、平瀬は次の間で御料理を下され、赤松家家老・山田助九郎や相賀道閑が相伴した。
装束は身分の上下ともに無刀、上下(裃)着用。宇野の太刀持ち原小才次、小太刀持ち村松は御縁に控えていた。
最初に出した膳は、右に澄まし汁が入った汁椀、左に茹でた蕎麦が入った食椀、
椀の前に小皿を置き、香頭(こうとう=吸い口・薬味)として唐辛子、ワサビ、ネギ、大根、鰹節、柚子などを刻んだものを盛ったものである。
客が食椀の蓋を取り、汁椀の蓋を取って澄まし汁に香頭を入れて好きなだけかき混ぜて、それを蕎麦にかけると、蕎麦の下から色々なものが出てくる。
鴨、鯛、椎茸、あわび、きくらげ、麩、セン、玉子、厚揚げ、凍み豆腐、凍みこんにゃく、雪餅、炒めニンジン、ゴボウ、カンピョウなどが出る。
具材を下盛りにしておいたのだ。
2~3口で最初の膳を下げ、引替膳を出した。
その膳は鯉の刺身と、右に白鳥の味噌汁、左に白飯を配している。
次は、鯛の1コン焼き(尾頭付きの焼き物)、シギの焼き物、御酒。
玉子、あわび、ゴボウ、クワイ、蓮根、椎茸の葛煮に、酒1返し、いも巻きを供した。
ここで中入りとなり、酒宴が始まった。
盃は5合入りの椰子杯である。
料理の方は、スズキの青ヌタ、サザエの壺焼きと、酒1返し。
雀の焼き鳥と、酒1返し。
十六島(うっぷるい海苔)の漬け焼き、酒1返し、ふくら炒り。
「沖の石台」という5升入りの皿鉢に、酢と生姜を溜め、大根、人参、柚子、タコ、イカ、アワビなどを盛ったものも出した。
次に玉子のふわふわを出し、各自に抹茶、あん餅、干菓子を出した。
この酒宴で呑んだ酒は、宇野3升、平瀬4升、相賀3升、山田5升。
宇野は「相生」を謡って退出し、嵯峨山隼人と碁を3番打ったが、明朝はくたびれ果てて休んでいた。宇野は酒が不得手のようである。
昼食は菜食で、田楽、御酒、クシコ、御酒、カツオ炒り、御酒、御菓子、饅頭、干菓子という献立。
宇野達はその夕方、暇乞いして帰っていった。
以上、珍しい料理だったので抜き書きしておいた。永く家に伝えていってくれ。頼んだぞ!
天正二年正月一日
置塩・相賀永次郎重茂 同・毛野鶴次郎武盈
コメント一覧
イヤミか貴様ッッ
邦衛「子供がまだ食ってる途中でしょうがっ!www」
まあ、5度の酒としてもそれでも強すぎだろ。
おそらくだけど、凍み豆腐の芋バージョン。
なるほど…出汁が染みて旨そうではあるな
ジャガベーあたりをおでんの汁に投入したので再現できるかもしれん。
たぶん間違ってるうえに不味そうだが。
あれジャガビーじゃなかったんだ…。
僕はたまごのふわふわってのが気になって仕方がないんだけど何なのそれ?
合ってるかは分からないけど、
上質のだしに溶き卵を繊細に混ぜて火を通し、だしを捨てて卵をまきすで形成し、切り分けるって調理法があるよ
興味深く拝見しました。