796 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/05/16(日) 22:05:24 ID:C76RzFm6
徳川家康の甥、松平定綱は親藩の重鎮として、山城淀・美濃大垣・伊勢桑名など、重要な拠点に転封された。要地を任されるにふさわしく、食事中等も家臣の報告を聞き、決裁を下す勤勉な男だったが、極めて短気な男でも
あり、報告中に気に入らない事があれば、身を揺らして怒りをあらわにするのが常だった。
さらに散髪中でもこの癖を止めず、月代を剃っていた家臣が誤って定綱の頭を傷つければ、たちどころに罰を与えた。
これに対して、器用で知られた武士が挑戦して、首尾よく、しかも素早く定綱の月代を剃り上げ、見ていた家臣たちは
皆その早業に感心した。「これは恩賞ものだろう!」
だが定綱は、
「主君の世話を手っ取り早く済ませるとは、わしを愚弄するか!」そう言って、かの器用な武士を手討ちにした。
もはや家中では、「定綱様の月代を剃るのは、剣の山に登るのと同義」とまで言われるようになってしまった。
「仕方がありません。妾が剃りましょう。」
名乗りを上げたのは、なんと定綱自身の奥方で、浅野長政の娘である智相院だった。
智相院は剃刀を取り、定綱の頭を静かに、少しずつ剃り上げたが、家臣の報告を聞いていた定綱は
案の定、激しく頭を揺らし始めた。
_, ,_
(;´Д`) _, ,_
⊂彡☆ ) Д´)パ―――――ン!!!!!
あまりの事に驚いて定綱が振り返ると、そこには目を怒らせ、拳を固めた妻の姿が!
「大名とて、ワガママは許しませんよ!?」
さすがの定綱も気を呑まれて、おとなしく頭を剃らせ、以後温厚な人物になったそうな。
コメント一覧
頭から溢れ出す血液
そんなに怒った妻が怖かったのか・・・
代わっておしおきよ
それにしても、手討ちにされた器用な家臣が気の毒だ