820 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/11/28(金) 00:14:42 ID:WBe8c8bb
世巧者高虎藤堂高虎は、あるとき書院に箱を置いて、
「ワシが死んだ時に殉死したいと思うものは、名前を書いてこの箱に入れよ。」
と言った。箱には70名の殉死志願者の名が集まった。
高虎はその箱を持って駿府の家康に拝謁し、「我が家中にはこれだけの忠義の家
臣がいます。彼らは子孫の代まで上様の先鋒として役立つ侍ですから、上様の上
意をもって彼らの殉死を禁止し先鋒を申し付け下さい。」と言った。
家康は高虎の望みをかなえ、藤堂家では殉死を禁止すること・藤堂家は徳川家の
先鋒とすることを命令した。
またある時、老境の高虎は家康に拝謁してこう言った。
「せがれの大学頭は不肖の子ゆえに、伊賀の本領を国替して下さい。伊賀は要衝
の地ですが、せがれでは上様のお役にたてません。」対して家康は、
「そなたは先年殉死者名簿をワシに提出し、彼らの殉死を禁止したことがある。
彼らのようなよき侍が多ければ、せがれの出来が悪かろうと立派に奉公できるで
あろう。伊賀は子孫末代まで藤堂家に任せる。」と言った。
こうして高虎は、先鋒大将とすること・国替はしないことの家康じきじきの言質
を得ることに成功し、幕末までそれが破られることはなかった。
(武将感状記)
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男山側の長州軍と挟み撃ちで幕軍を蹴散らした訳だが