455 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 15:43:35 ID:mZo7OgO8
永禄(1558~)の、始めの頃の事。宇喜多直家は、自分の舅である中山信正の居城、亀山城から沼を隔てた東茶園畑という場所に
小さな茶亭をつくった。そして狩に出た帰りにはそこで休憩した。この時亀山城から信正も呼び、
狩の獲物を調理し共に酒宴を楽しんだ。
こういうことが何度もあったので、信正は、「城からここにすぐに来れる様にしよう。」と、城と茶亭を
隔てる沼に、橋をかけた。
さて、二月になって、直家、いつものように狩に行き、日が暮れてから件の茶亭に行った。
その夜は信正の勧めで亀山城に入り、共に酒宴をし、夜も更けた頃信正から、
「今日は泊まっていくと良い。」と言ってきた。そこで直家も、「ではお言葉に甘えて、今夜は
泊まらせていただきます。しかし家来の方は先に返そうと思います。」と、共に来たものを皆、
城から出した。これに信正も安心をしたか、自分の家臣たちにも、
「今日は城中の番の者も、皆早く休むが良い。」と休息させ、婿と舅、打ち解けて話などした。
さて、深夜に入り、信正も「そろそろ寝るか」と寝所に向かおうとした。直家も、「では私も休みます。
ああ、私の刀はどこに置いたかな?」と、自分の刀を、取った。
この瞬間を、待っていた
直家、突然抜き打ちに信正を、斬る。信正も斬られながら脇差を抜いて反撃しようとしたが、組み伏せ
首を取った。
走り出て城門を内から開くと、先に帰らせたはずの家来達、武装して続々と集合した。
帰らせるとは偽りであり、周辺に潜ませておいたのだ。
亀山城の者たちが混乱している間に直家、たちまち城を乗っ取る。そして合図の狼煙を上げる。
これを見た直家の主君、浦上宗景は、砥石城主、島村貫阿弥に急使を出した
『中山信正が謀反を起こした。その退治のため宇喜多直家を向かわせたが、そなたも直家に
加勢してほしい。』
これに貫阿弥、家来を連れて亀山城に駆けつけると、城は合戦の模様などさらさら無く、
平穏の様子であった。
不思議に思っていると直家が出てきて、「この城は我々の手で、既に攻め取りました。しかし
加勢に来ていただいたお礼がしたく、どうぞ城にお入りください。」と言われ、言葉のままに城に入れば、
島村貫阿弥主従、城内で待ち構えていた手の者に、たちまち惨殺された。
そして間髪おかず城主のいない砥石城を攻め、これも乗っ取った。
そう、これは宇喜多直家が、主君浦上宗景と共に謀った、有力家臣の中山信正と島村貫阿弥を
排除するための陰謀であったのだ。
主家である浦上家を圧迫していた両家は、この一晩で、滅びた。
…が、この陰謀を主導した直家は、中山、島村の旧領の大半を手に入れ、浦上家から離れ、
独立大名への道を踏み出すこととなる。
そんな、宇喜多家興隆の始まりとなった、陰謀のお話。
457 名前:人間七七四年[] 投稿日:2009/04/06(月) 18:51:26 ID:Ll5mXzL+
なんか清々しい458 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 19:05:46 ID:TqRgtXOA
暗殺が爽快すぎていい話すれかと間違えた460 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 19:44:28 ID:t1pZ7nSF
>>455趣味が暗殺になるのがわかるな。ここまできれいに決まると。
コメント一覧
ひきこもろう。。。
まさに、親の因果が子に報い…だな。
戦国の世ではそんなこと言ってられんのだろうが
快適だった。
でも身内は結構大事にしてる人、ってイメージ
フクロウ可愛いのに
そりゃ野生ならネズミとか襲うけど
ワシやタカだって同じだろ
フクロウを可愛いとか森の賢者とか「不苦労」と書いて幸運の象徴とかってのは今の価値観であって、昔は残忍で獰猛な鳥として忌み嫌われていたらしい。
晒し首のことを梟首というのは昔フクロウを見つけると不吉の前兆として殺して木に吊るしてたことに由来するそうだ。
それが今や猫カフェのノリで梟カフェとか出来てるっていう
四畳半島、楽しかったぞ〜。お前も来れば良かったのに、何で来なかったんだよ?
今夜、ビデオの上映会をやるから、お前にも見せてやるよ。絶対に来いよ。来ないと酷いからな!