665: 名無しさん@おーぷん 2016/04/03(日)13:15:03 ID:8j5
今から十年ぐらい前、私が未就学だった時に起きた、
「母には絶対に逆らうまい」
と誓った母の武勇伝。
動物の死にネタが入ってくるので苦手な方は回避で。
私は子供の頃、頭に超が付くくらいのド田舎に暮らしてた。
そこは母方の祖父の家で、広い庭でっかい狼みたいな紀州犬を飼ってた。
田舎だったから保育園なんてなくて、庭でその犬と遊ぶのが私の日課だった。
この子は雌の犬でめちゃくちゃ頭が良くて、大人しくて可愛い犬だった。
勿論、大きな犬だから頑丈な鎖で繋がれて、他に迷惑をかけることもなかった。
そんな犬を目の敵にしている性格の悪いオジサンが近所にいた。
うちの庭にいる犬にしょっちゅう文句をつけてた。
他にも犬を飼っている家庭は多いのに、何故か我が家にだけ執着しているみたいだった。
ある日、犬が三匹のまるい子犬を産んだ。
ちっちゃい子犬がかわいくて、私が子犬と遊ぶときは庭に子犬を放し飼いにしていた。
庭が凄く賑やかになってその日も子犬とはしゃいでいたら、ふとしたときに庭の生垣の向うにオジサンがニヤニヤ笑っているのが見えた。
(何してるんだろう)
と思った瞬間、オジサンがスコップに乗せた何かをポーンと庭先に投げ込んできた。
(ロープかな?)
とおもったら、なんと蛇。
私が小さかったからそう感じたのかもしれないけど、子犬なんて楽々と丸飲みできそうな大蛇だった。
怖かったけど足が震えてどうすることもできず、蛇に飛びかかろうとする子犬三匹を抱えてぎゃあぎゃあ泣くしかできなかった。
そんな私をみてオジサンは爆笑。
生垣向こうで手を叩いて笑っているのを今でも覚えてる
母犬はけたたましく吠えながら歯痒そうに鎖をがっしゃんがしゃん鳴らしてた。
666: 名無しさん@おーぷん 2016/04/03(日)13:16:28 ID:8j5
まさに阿鼻叫喚のただならぬ声を聞きつけたんだろう。
庭から少し離れた玄関の草刈りをしていた母が
「どうしたのー?」
なんて優しい感じでひょっこり現れた。
でも次の瞬間、その場の雰囲気がさっと変わったのがわかった。
多分、母の殺気だったんだろう。
世界が一瞬無音になったと思ったら、「ママーッ」とか私が叫ぶ前に
母が手に持ったスコップを振りかぶって蛇に襲い掛かってた。
そのままスコップを大蛇の頭に突き刺し、そしてそのスコップできゅうりを切るみたいに
スパンスパンッ!
と胴体を叩き斬った。
そしてそのままスコップでそのバラバラになった蛇の一部を掬い上げると、生垣にいったオジサンにそれを投げつけた。
悲鳴を上げながら逃げていくオジサンを
「おまえがぁああ!!」
と雄叫びを上げて追いかけてった。
後で聞いた話だと、
そのままタックルで掴まえてぶん殴って鼻の骨を圧し折ったらしい。
幸いにも蛇を投げ込む瞬間を見ていた人がいて、母は駐在さんに注意されるだけで済んだ。
オジサンはいつの間にか近所から姿を消し、犬は尊敬の眼差しで母を見つめ、子犬も母にだけは今でも絶対服従。
以上、母は強し、と実感した母の武勇伝でした。
668: 名無しさん@おーぷん 2016/04/03(日)14:05:31 ID:8XG
母ちゃん強いww
スコップは武器として最強って話があるよねw
コメント一覧
怖がらせたという罪なぁ…
実際無害だったけど
刀より鍬の方が強いとは言うらしい
というジョークもあるくらいだしなぁ。
ヘルメット→殴る、投げる、汲む、溜める、何でもできる優れもの。しかも全員持っている。
スコップ→殴る、突く、斬る、掬う、何でもできる優れもの。更に掘って埋めることもできる。
住人の厚意に甘えて生きるしかない。
こんな事をして、お母さんのスコップで八つ裂きにされなかったんだから御の字だね。改心するとは思えないけど。
スコップといえば、戦争小説の呉(うー)すんクリークを思い出すね。お坊さんの武器がスコップだったなぁ。