秀吉は故郷の愛知県にもどり、友達と再会した。
秀吉「やぁ。帰ってきちゃった」
友達「あれ、なした? 静岡県で武士になるんじゃなかったの?」
秀吉「クビんなった」
友達「なんで?」
秀吉「壮大な陰謀に巻き込まれたんだよね」
友達「ていうか、いじめられたんでしょ」
秀吉「うん」
友達「いきなり見知らぬ土地ではりきるからだよ」
秀吉「やっぱ地元で就職しないとダメかなぁ」
友達「じゃ、織田信長んとこ行ってみれば? バイト募集してたよ」
秀吉「えー、でもルーキーなんでしょ、その人」
友達「うん。まだ21歳」
秀吉「すげぇ弱そうなんですけど」
友達「いや、年齢で判断しないほういいって」
秀吉「そっか。今は実力主義の時代だもんね」
友達「うん。中身で判断しないと」
秀吉「信長って、中身いいの?」
友達「悪い」
秀吉「ダメじゃん!」
友達「みんなからウツケって呼ばれてるらしいよ」
秀吉「ウツケ?」
若き日の信長は奇行が目立ち、周囲からウツケ(アホ)と呼ばれていた。
秀吉「でもそういうのってなんか、大物っぽくない?」
友達「そう?」
秀吉「信長ってさ、じつはすごい大物かもよ」
友達「じゃ、彼のもとでバイトしてみる?」
秀吉「うん。仕事の内容、どんなのさ?」
友達「草履取り」
秀吉「草履取り? なにそれ」
友達「信長ってね、すぐ自分の靴どれかわからんくなるんだよね」
秀吉「えっ。やばいしょ」
友達「そういうときに『靴、これですよ』って取ってあげる係」
秀吉「信長、大丈夫?」
友達「だからウツケなんだって」
秀吉「ぜんぜん大物じゃないかもね……」
西暦1554年。秀吉(18歳)は織田信長(21歳)の草履取りになった。
冬のある日。 秀吉は信長のお供をして外出した。 すると突然、
信長「キーック!」
秀吉「うぎゃ!」
秀吉は背中を蹴られた。
信長「どう? おれのキック」
秀吉「いや、どうって……」
信長「おれが開発したサンダルキック」
秀吉「は、はい」
信長「サンダル履いてキックしただけじゃん!って、どう? この一人つっこみ」
秀吉「……はぁ」
信長「真冬なのにサンダルなおれって、最高だよね」
秀吉「さ、最高っす」
信長「じゃ、おれ、この家よってくからさ、外で待ってて」
秀吉「はい」
信長「ちゃんとサンダル見張っててね」
秀吉「わかりました」
信長「寒いからって、サンダルの上に座ったらダメだよ」
信長は知人の家の中に入っていった。 外に残された秀吉は……
秀吉「なんかムカツクなぁ。よし、サンダルに座ってやれ!」
1時間後。信長が戻ってきた。
信長「おれのスーパーサンダル、見張っててくれた?」
秀吉「は、はい」
信長はサンダルを履いた。
信長「む?」
秀吉「ど、どうしました?」
信長「あったかい」
秀吉 ギクッ!
信長「このサンダル、あったかいんだけど」
秀吉「いや、じつは、その……」
信長「座ってたしょ? おもっきし」
秀吉「す、座ってませんよ」
信長「だってあったかいよ。ホントは座ったんでしょ? はい、切腹」
秀吉「げっ! ほ、ほんと座ってませんって」
信長「じゃ、なんであったかいのさ」
秀吉「真冬だから、信長さん、足冷たいかな~と思って温めておいたんです。僕の服の中に入れて」
信長「証拠は?」
秀吉「ほら、背中、見てください」
信長「あ、サンダルのあとがくっきり!」
秀吉「ね、背中に入れてあっためてたんですよ」
信長「えらい! 感動した!」
秀吉「キックの跡だけどね(ぼそっ)」
信長「え? なに?」
秀吉「いや、なんでもないです」
信長「ていうか、疑ってごめんね。おわびに出世させてあげる」
秀吉はこうして草履取り頭に出世した。 ここから彼の立身出世物語がはじまる。
秀吉「やぁ。帰ってきちゃった」
友達「あれ、なした? 静岡県で武士になるんじゃなかったの?」
秀吉「クビんなった」
友達「なんで?」
秀吉「壮大な陰謀に巻き込まれたんだよね」
友達「ていうか、いじめられたんでしょ」
秀吉「うん」
友達「いきなり見知らぬ土地ではりきるからだよ」
秀吉「やっぱ地元で就職しないとダメかなぁ」
友達「じゃ、織田信長んとこ行ってみれば? バイト募集してたよ」
秀吉「えー、でもルーキーなんでしょ、その人」
友達「うん。まだ21歳」
秀吉「すげぇ弱そうなんですけど」
友達「いや、年齢で判断しないほういいって」
秀吉「そっか。今は実力主義の時代だもんね」
友達「うん。中身で判断しないと」
秀吉「信長って、中身いいの?」
友達「悪い」
秀吉「ダメじゃん!」
友達「みんなからウツケって呼ばれてるらしいよ」
秀吉「ウツケ?」
若き日の信長は奇行が目立ち、周囲からウツケ(アホ)と呼ばれていた。
秀吉「でもそういうのってなんか、大物っぽくない?」
友達「そう?」
秀吉「信長ってさ、じつはすごい大物かもよ」
友達「じゃ、彼のもとでバイトしてみる?」
秀吉「うん。仕事の内容、どんなのさ?」
友達「草履取り」
秀吉「草履取り? なにそれ」
友達「信長ってね、すぐ自分の靴どれかわからんくなるんだよね」
秀吉「えっ。やばいしょ」
友達「そういうときに『靴、これですよ』って取ってあげる係」
秀吉「信長、大丈夫?」
友達「だからウツケなんだって」
秀吉「ぜんぜん大物じゃないかもね……」
西暦1554年。秀吉(18歳)は織田信長(21歳)の草履取りになった。
冬のある日。 秀吉は信長のお供をして外出した。 すると突然、
信長「キーック!」
秀吉「うぎゃ!」
秀吉は背中を蹴られた。
信長「どう? おれのキック」
秀吉「いや、どうって……」
信長「おれが開発したサンダルキック」
秀吉「は、はい」
信長「サンダル履いてキックしただけじゃん!って、どう? この一人つっこみ」
秀吉「……はぁ」
信長「真冬なのにサンダルなおれって、最高だよね」
秀吉「さ、最高っす」
信長「じゃ、おれ、この家よってくからさ、外で待ってて」
秀吉「はい」
信長「ちゃんとサンダル見張っててね」
秀吉「わかりました」
信長「寒いからって、サンダルの上に座ったらダメだよ」
信長は知人の家の中に入っていった。 外に残された秀吉は……
秀吉「なんかムカツクなぁ。よし、サンダルに座ってやれ!」
1時間後。信長が戻ってきた。
信長「おれのスーパーサンダル、見張っててくれた?」
秀吉「は、はい」
信長はサンダルを履いた。
信長「む?」
秀吉「ど、どうしました?」
信長「あったかい」
秀吉 ギクッ!
信長「このサンダル、あったかいんだけど」
秀吉「いや、じつは、その……」
信長「座ってたしょ? おもっきし」
秀吉「す、座ってませんよ」
信長「だってあったかいよ。ホントは座ったんでしょ? はい、切腹」
秀吉「げっ! ほ、ほんと座ってませんって」
信長「じゃ、なんであったかいのさ」
秀吉「真冬だから、信長さん、足冷たいかな~と思って温めておいたんです。僕の服の中に入れて」
信長「証拠は?」
秀吉「ほら、背中、見てください」
信長「あ、サンダルのあとがくっきり!」
秀吉「ね、背中に入れてあっためてたんですよ」
信長「えらい! 感動した!」
秀吉「キックの跡だけどね(ぼそっ)」
信長「え? なに?」
秀吉「いや、なんでもないです」
信長「ていうか、疑ってごめんね。おわびに出世させてあげる」
秀吉はこうして草履取り頭に出世した。 ここから彼の立身出世物語がはじまる。
コメント一覧
信長考案草履蹴りも史実だよ。
糞ワロタw
ありがとう。
信長ってすげー英雄だと思ってたんだけど、サンダルキックとかするのな。
本出してる作家さんなわけだから
転載元くらいはちゃんと載せるべきだと思う・・・
俺もだ
ガスパッチョのCMのせいだなどう考えても
ハマりすぎだ
『ドローン信長』で再生された。