コピペ運動会

「犯人は残念ながら不起訴となりました。やるせないです。」

「被害者は本名も自宅も晒されたのに加害者は名前すら明かされない。
　社会に出てきてまた繰り返すのだろう。正にキチガイに刃物！」

これは村崎百郎が著名人かつ自身で「鬼畜」と名乗りながら
真っ当な人物だった故に顕著になった例だが、
他の事件でも同等の意見は必ず出てくる。

著者にはそういった現実が見えていないのだろうか？
そして、精神障害により犯罪を犯した者のための
治癒施設も整っていない現実をどう捉えるのか？
これは、持論の「ゆるし」と「はずし」の為に利用しただけなのでは？



以下が、精神障害者の犯罪に関する私の持論である。

私は、精神障害者への処罰に反対の立場だ。
理由は、決して「ゆるし」ではない。

殺害に向かう精神疾患で一番多いのは恐らく統合失調症である。
しかしこの病気は適切な投薬で症状を抑える事ができる。
私は統合失調症患者が陽性期に苦しむ手記を幾つも読んできている。
自己の暴力的・反社会的衝動を抑えきれない葛藤や
妄想に囚われて恐怖する様子などなど…
本人にもどうしようもない、「病気」なのだ。

また統合失調症の患者が社会的に危険なのは陽性期のみで、
陰性期は決して危険人物ではない。
なおかつ、遺伝性も持つ病気である。
決して他人事ではないのである。

だから、犯罪を犯した患者には適切な治療施設が必要だと考えている。
これこそ、いち早く設置すべきものだ。

この際、「犯罪者に税金を使うなんて！」という意見が必ず出てくるが、
それは社会の全体像が見えていない、単なる感情論である。
犯罪を犯した精神障害者治癒施設は、福祉の問題だけではない。
一番に、自身・家族等、大切な人を守るため、安全な社会のためである。
そこに税金を使うのは当然の事。

さらに、統合失調症の発症原因はいまだハッキリとしていない。
いつ自分が、家族が、愛する人が発症するか分からないのだ。
愛する人が病に苦しんだ結果犯してしまった犯罪。
その後、適切な治療を行われる事なく苦しみ続ける事を想像して欲しい。

優秀な精神科医は残念ながらごく少数であるのが現実であり、
経済的な負担も大変大きい。
だからこそ、犯罪の危険性の高い精神障害者は、
優秀な精神科医の元で適切な治療を受けるべきである。
社会全体の安全のために。


もう一度繰り返す。

精神疾患は決して他人事ではないのである。

あなた自身、あなたの愛する人が発症する可能性もある。
被害者側からだけの感情論で語れる事ではないのだ。


それでもあなたは、精神障害者を罰し、死刑にしようと考えますか？
已むを得ない「病気」に苦しむ人間を排除するだけの社会を
健全だと考えますか？
そういった社会が進む行く末を恐ろしいと思いませんか？