150: 本当にあった怖い名無し:2009/10/08(木) 16:03:34 ID:1TxOScSy0
大叔父に当たる人が、シベリアから脱走して生還した話。 叔父は敬虔なクリスチャンの家系だったのだけど、千人針の代りに
ずっと叔父の父親から受け継いだ十字架のお守りを持ち続けてた。
捕虜になってからの悲惨な日々はこれまで書いてくれている人の話と同様。
食べ物はないし、着るものも、体を温めるにも、なーーーんにもない。
冬場は、死んだ仲間の墓を掘るにも土が凍ってて掘れないほどの寒さで
毎日、朝が来るたびに夜のうちに死んでカチカチに凍った死体を運び出しては
丸太を組んだだけの小屋に移動して、まるで薪のように交互に積み上げて置いとく。
死体は、春になって溶けてくる前に火をつけて燃やしたりしたが
凍土を渡る寒風のせいで、カラカラに乾燥してよく燃えたらしい。
そんな日々の中、どうせここにいても死んでしまう、食べ物を取り合ったり死体から服を剥いだり
何よりも人間としてあまりに尊厳のない獣以下の状態につくづく悲しくなって
ある日の深夜、叔父は決心して一人で収容所から脱走した。
151: 150:2009/10/08(木) 16:06:26 ID:1TxOScSy0
見渡す限り何にもない真っ暗な原野を、十字架のお守りだけを握り締めて走って走って どっちの方角に向かっているのか、どれくらい行けばいいのかも分からず
ついに疲れと足の痛みと恐怖で気を失いかけた。
お守りを握り締めてこのまま死ぬなら、せめて天国に行けます様に・・・とお祈りして
もうダメだと挫けかけたとき、ふと、遠い原野の果てにチラチラと黄色い光が揺れている。
よくよく見ると、当時の巡礼が持っていた提灯と同じに、十字架が墨で描かれているのが分かる。
ああ、こんなところに巡礼の人が居る、あそこまで行こう、と思い直して立ち上がって又走る。
走って走って、又転んで立てなくなる・・・遠くを見るとやっぱり大きく左右に光が揺れている。
十字架にぬかれた提灯の光に、何度も何度も方角を示されては走り続け、
何時間もたった朝になる頃、叔父は荒野の集落の教会にたどり着いた。
そして、たまたま来ていた外国の巡礼の一行に合流して、そこから中国を経て帰還したとか。
真っ暗な闇に埋もれて走っていた叔父に向かって、いったい誰が提灯を振ってくれたのか
不思議でたまらず、今はもう他界した叔父にこの話をしたくなるのだけどかなわず、
たま~に思い出すたびに、神様っているんだろうか、なんて思ったりする。
コメント一覧
人の意識の奥底で何か眠ってる鋭敏な感覚が緊急事態に発露したのかもしれないね。
社会主義なんて誰も幸せにならなかっただろうに
信者数の差じゃね?
魂のないイエローモンキーの集団になんて
神様は振り向いてくれないよ
全知全能をフルに使ったら何も面白くない
日露戦争には勝っただろ。
神なんてそんなもんだ。
フルと見えたので一瞬フルチン云々とキモクソヤローがまたクソコメしてると思ってしまったm(_ _)m