コナンに気軽に麻酔を打たれまくっている小五郎は大丈夫なの?麻酔科医の先生に聞いてみた
コピペ投稿者:名無しさん
投稿者ID:reHza4to
コピペ投稿日時:2019/03/02 20:23
コピペ投稿日時:2019/03/02 20:23
麻酔科の先生に聞いてみた
ayato
先生、今日はよろしくお願いします!
matsumoto
よろしくお願いします。
ayato
さっそく先生にお聞きしたいんですが、
象でも30分は寝ているほど強力な麻酔があるとしまして。
matsumoto
はい。
ayato
そんな麻酔を約半年間、週に2~3本のペースで打たれた場合、その人間ってどうなってしまうんですか?
matsumoto
え?
「どうなるってそりゃあ……まぁ結果的に言ってしまうと……」
「死にますわな」
ayato
やっぱり死んじゃうんだ。
matsumoto
ええ、死にますわな。
やはり死んでしまうようです。
取材開始1分で今回の目的は果たしてしまったのですが、せっかくなので先生にいろいろお話を伺ってみたいと思います。
ayato
今回、先生をお呼びした理由なんですが、「名探偵コナン」の作中に毛利小五郎というキャラが出てくるじゃないですか。
matsumoto
ええ、知ってますよ。コナンが麻酔銃で撃って寝かせて、「眠りの小五郎」になるんですよね。
ayato
そうです。その小五郎に向けてコナンが発射している麻酔針なんですけど、実はその麻酔が「ゾウでも30分寝ているほど強力な麻酔」なんですよ。
爆笑する先生
matsumoto
あれってそんなに強力なんだ。
ayato
ちなみに、麻酔銃にはどんな麻酔薬が用いられているんですか?
matsumoto
長い間「ケタミン」っていう麻酔薬が使用されてたんだけど、いまは麻薬指定されているみたいですね。
ayato
なるほど、ではそのケタミンだと、象を眠らせるにはどのくらいの量が必要になるんでしょうか。
matsumoto
もし成人男性をそれで30分ほど眠らせるとなると、10ccくらいは必要になってくる。ので、成人男性が60kg、ゾウはアジアゾウで6トンとすると、単純計算で約1リットルは必要になりますね。
ayato
1リットル!!
ayato
ちなみにケタミンを1リットル注射したら、毛利小五郎はどうなってしまうんですか?
「死にますわな」
ayato
やっぱり死んじゃうんだ。
matsumoto
死にます。
matsumoto
加えて言うと、この時計型麻酔銃から発射されてる針。これ、たぶん体内に留まっちゃってますよね。
ayato
あ、たしかに。
matsumoto
麻酔で死ななくても、現在小五郎の体内には50本の麻酔針が刺さったハリネズミ状態になってしまっているんです。
ayato
めちゃくちゃ笑ってしまう。
matsumoto
そのどれかが血流に入って肝動脈とか心臓とか頭の中にいっちゃったらもうアウトです。「眠りの小五郎」が永遠の眠りにつくかたちになりますね。
ayato
麻酔に関係なく、小五郎はいつ死んでもおかしくない状態というわけか……。
ayato
ちなみに、コナンの麻酔銃だけではなく、他にも薬で相手を眠らせる描写ってよくありますよね。クロロホルムを染み込ませたハンカチを嗅がせて眠らせる、みたいな。
matsumoto
あ~、ありますね。
でも、あんなのではまず寝ないですよ。
ayato
え、寝ないんですかあれって……!
matsumoto
いや~、せいぜい吐き気か頭痛くらいですね。そもそも刺激が強いので、むせまくると思いますよ。
タオルとかにびしゃびしゃに浸して、それを鼻と口に突っ込んで何分も放置すれば、もしかしたら寝るかもしれませんね。
ayato
マンガとかドラマとかでは、あんなに一瞬で寝てるのに……。
matsumoto
この話を聞くとみんなガッカリしちゃうんですよね。
ayato
たしかに……。今後マンガとかドラマとかでそういう描写を見たら、完全に冷めた目で見ちゃいますね。
matsumoto
そこまで底なしにガッカリされてしまうと……。
なんかごめんなさいね。
麻酔科医のお仕事
ayato
そもそも、麻酔科医のお仕事って、どんなものなんでしょうか?
matsumoto
これはよく聞かれますね。実は、麻酔科医は手術中にやることがすごく多いんですよ。
ayato
そうなんですか? 麻酔を打って眠らせたら「はい。じゃあ手術終わって目覚めるまでポテチでも食って待ちましょう」とかじゃないんですか?
matsumoto
違うんですよ。コナンの麻酔はどうかは知りませんが、通常、麻酔っていうのは眠らせるだけじゃなくて痛みもとらないといけない。なので鎮痛剤を使うんですね。
ayato
ほうほう……。
matsumoto
眠らせるのが鎮静剤。痛みを取るのが鎮痛剤。
それともうひとつ、例えばお腹を切る手術中に患者が動いたり呼吸をしたりしてたら、邪魔で正確な執刀ができませんよね?
ayato
たしかに。
「なので、呼吸も止めちゃいます」
ayato
え! 呼吸まで止めちゃってるんですか!?
matsumoto
はい。
筋弛緩薬というのを使用して止めます。邪魔なので。
ayato
その間、患者さんはどうなってるんですか?
matsumoto
もちろんそのままではなくて、気管に管を入れて人工呼吸器で呼吸させています。
なので全身麻酔を受けている人っていうのは、何もできないどころか血圧や呼吸なんかを全部麻酔科医がコントロールしている状態なんですね。
ayato
そうだったのか……。
matsumoto
心臓手術のときは心臓まで止めてしまうので、術中はずっと付きっきりですね。
ayato
麻酔科医、めちゃくちゃ大変じゃないですか……。
麻酔科医はヒーローになり得ない。
ayato
先生はマンガ「麻酔科医ハナ」の監修もされてますよね。あれはどういう流れで監修することになったんですか?
matsumoto
ニシキドさんが麻酔科医についてご存知なかったように、ほとんどの人が、麻酔科医の仕事を知らないんですよね。「なにをやっているか」どころか存在自体を認識されてないってこともちょくちょくありまして。
ayato
たしかに……。
matsumoto
あまりに知られていないので、どうやったら知ってもらえるかっていう話をいろんなところで話してたら、マンガ家さんと組んで麻酔科医のマンガを描こう。というかたちになったんですよね。
ayato
外科医のマンガはブラックジャックをはじめたくさんありますが、麻酔科医のマンガはなかったんですね。
matsumoto
そうなんです。ただ、麻酔科医ってヒーローにはなり得ないんですよ。
ayato
といいますと?
matsumoto
簡単にいうと「できて当たり前の世界」なんです。さきほど話した麻酔科医の仕事、呼吸止めたり心臓を止めたり、一つ二つミスしたらそれがそのまま患者さんの死に直結してしまうんです。
ayato
なるほど……。
matsumoto
やってることはとても大事なことだけど、地味なんです。それに患者さんも術中は寝てますしね。術前に少し説明して、術後に様子を確認して。患者さんと接するのもその部分だけということもあって、あまり知られていないんですよ。
ayato
手術中に執刀医が安心してオペに集中できるのも、麻酔科医のおかげなんですね!
結局のところ
ayato
「小五郎がヤバいのでは?」という話からだいぶ逸れてしまいましたが、麻酔とは? 麻酔科医とは? という知らないお話がたくさん聞けて、とても楽しかったです。
matsumoto
そういってもらえると嬉しいですね。
まぁ、麻酔銃の描写で一瞬で寝ちゃうっていうのはやっぱりフィクションですよ。そもそもあんな小さい針にそこまで麻酔薬も入れられないですしね。
ayato
たしかに。
matsumoto
あれだけのごく少量の麻酔で、即効性もあって副作用もない。中毒性もない。そして発射された針は体内に吸収されて無害。なんて、僕たち麻酔科医からしたら今すぐにでも使いたいぐらいの、まさに夢のような薬です。
matsumoto
阿笠博士の一番の発明は、蝶ネクタイ型変声機でも、キック力増強シューズでも、ターボエンジン付きスケートボートでもなく、この麻酔なのかもしれませんね。
ayato
完全に上手いことまとめられてしまった。
先生、今日は本当にありがとうございました!
コメント一覧
全部避けて、寝たふりしてるだけだからね
まじかよ小五郎かっこよすぎだろ
野原ひろしの靴下成分である可能性
蹴るだけで蝶ネクタイが爆速で増えるとか怖いわ
こういう考察は面白いけど、一歩間違えると柳田理科雄みたいになっちゃうぞ
1リットルの淫眠薬を注ぎ込まれたい……
来世は妃女史に生まれ変われるよう神様にお願いしとけ
でも俺、やっぱ男として男と愛し合いたいし。
で 続きを見る
になっているのが絶妙