732 名前:名無しさん@お腹いっぱい。2009/03/24(火) 08:39:18 ID:m3q8BSGt0
学生時代に半年ほど住んでた超ボロアパート(6畳1間で家賃
26000円、風呂無しトイレ共同)での話。俺は2Fの1室に住ん
でたんだが、真下の部屋に子持ちの女性(30代後半くらい)が
住んでいた。何回か夕方くらいに3歳くらいの男の子連れて出て
くるのを見たことがあるが、見るからに水商売です!っていう
派手な服と化粧。夜中の3時くらいに帰ってきたりしてたんで、
あー苦労してるんだなぁくらいに思っていた。
あるとき、真昼間にその部屋でいきなりギシアンが始まった。
クーラーなんてもちろんないので、夏場は窓フルオープンで
凌いでいるのだが、真下の部屋も窓全開のままらしく、手を
のばせば届きそうなくらい近くで声がする。
途中で体位変えるときの女「え、どうすんの」男「後ろむいて」
みたいな生々しい会話まで…あまりに凄まじいので、ちょっくら
通りかかった振りして窓から覗いてやろうかしら?とスケベ心を
起こして1Fに降りてみると、その部屋のドアの前で例の男の子
が1人でしゃがみ、プラスチックのスコップと鍬で雑草だらけの
地面をこつこつ突っついていた。
俺は何ともいえない気持ちになって、とぼとぼと自室に戻った。
それからというもの、昼頃になるとほとんど毎日のようにギシアンが
始まるようになり、そのたびあの男の子の姿が目に浮かんで居た
たまれなくなって、ヘッドホンで大音量の音楽を聴いてた。
学校から帰ってきたとき、ちょうどその1Fの部屋から男が出て
くるのを数回見たことがあるが、すべて違う男だった。財布を
しまいながら出てくる男もいた。社会経験の少ない当時の俺でも、
いろいろ察するところがあった。
しばらくしてそのアパートを引き払うことになり、最初に越して
来たときに挨拶した隣と真下の部屋に挨拶に行った。さすがに
真下の部屋に行くときは緊張した。朝9時くらいだったので、
まだ寝てるかな?と思いつつノックし、「2Fの○○ですが」と
声をかけると、ドアが開いて女性が出てきた。
きちんと顔を見たのは最初に挨拶して以来だったが、久しぶりに
見るその顔は意外なほど肌も綺麗で、相変わらず目のぱっちり
した美人だった。30代後半だと思っていたが、今思うともっと
若い人だったかもしれない。ボク引っ越すんです、というと
「いつもうちの子が騒がせてしまってすみませんでした」
と言って、笑って頭を下げた。優しそうな笑顔だった。
でも、あの男の子が騒いだことなんて1度もない。
本当はもっと違うことを謝りたかったんだろう。
それから10年くらい経って、仕事でたまたまアパートの近くに
行くことになり、懐かしくなったので空いた時間にアパートを
見に行った。するとそこにあのアパートはなく、代わりに小奇麗
なマンションが立っていた。あの親子は今頃どこでどうしてる
のかな…と思うと、またあのスコップをいじる男の子の姿が目に
浮かんで、涙が出そうになった。
コメント一覧
吊ってくる
ごめん
俺が書いてた。
幸せになっているといいなあ・・・。
……と思えるのは「美人だった」という一文があるからに他ならない。
自分が嫌にナッチャウヨwww
俺も薄給に負けず頑張ろう。
こっそりすっきりすんな
俺もそう思う。
このお母さんは、自分の子を育てる為に・・・。