22 :名無し物書き@推敲中?:01/11/10 16:38
ある山奥の洞窟に、赤鬼と青鬼が住んでいました。 赤鬼と青鬼はとても仲良しで「兄貴」と、呼び合い、お菓子を持ち合ってお互いの家を訪ねたり、玉門を貸し合ったりしていました。
ある日、赤鬼が青鬼に悩みをうち明けました。
「青兄貴・・・」
「なんだい、赤兄貴」
「俺、村にいる、他の穴を持つ奴とも仲良くしたいっす・・・」
「私じゃ、不満かい?赤兄貴」
「いえ、そうじゃないっす。ただ、色々な穴を持つ人達と広く知り合いになりたいというか・・交流をもちたいっす」
「そうか。赤兄貴はやさしい性格だから、きっと、いろんな人達と穴友達になれるだろうね」
やさしい青鬼の言葉に、赤鬼は悲しげに首を振りながら言いました。
「だめっす・・!みんな俺の逞しい体と顔を見ると恐がって逃げていくっす。
いつ、誰が訪ねてきてもいいように、お菓子も用意して玉門も毎日清潔にしているのに誰も来てくれないっす。乱暴なことはしないのに・・・」
肩を落として悲しげな様子の赤鬼を、青鬼はとてもかわいそうに思いました。
「そうだ、赤兄貴。他の人とも仲良くなれるかもしれない名案があるよ。」
「えっ、本当っすか!青兄貴、ぜひご教授おねがいしまっす!」
青鬼の名案というのは、自分が悪者になり村人をいじめ、そこへ赤鬼が現れ村人を助けるというものでした。
「そんな・・そんなこと出来ないっす!青兄貴を悪者にするなんて!」
「赤兄貴、一時的なことだよ。村人と仲良くなれたら君があとで誤解を解いてくれればいい」
赤鬼はとても悩みましたが、青鬼に説得されて実行に移すことにしました。
「おうらああ!この青鬼様の太いマラが目にはいらねえかあ!玉門から内蔵へ突き通してやるぞおおお!」
青鬼の暴れる様をハラハラしながら見守っていた赤鬼は、青鬼の合図で青鬼を突き飛ばし、村人を助けました。
「まいったあ、やられたあ、やさしい赤鬼には敵わんわあー」
そう言い捨てながら逃げ去る青鬼の背中を、赤鬼は泣きながら見送りました。
「ありがとうっす・・・!!青兄貴」
青鬼の作戦は大成功でした。
今まで、赤鬼の外見を恐れて近寄らなかった村の若い衆も、最近では毎日のように誰かしらが訪ねてきます。
屈強な体と顔の下に隠された、赤鬼の真綿のようなやさしさを知ると、みんな赤鬼が大好きになりました。
お菓子はたくさん用意しても足りないほどで、玉門は乾くひまもありません。
夢見たとおりの日々を送りながらも、赤鬼は青鬼が気になって仕方がありませんでした。
青鬼は赤鬼に、ほとぼりが冷めるまでしばらく会わない方がいいだろうと伝えて、洞窟に引き籠もってしまったからです。
ひと月も経ったでしょうか。
懐かしさと恋しい気持ちでいっぱいになりながら、赤鬼は青鬼の好きなお菓子を持って洞窟を訪ねました。
「青兄貴?俺っす。赤鬼っす!」赤鬼が呼びかけても奥からはなんの返事も返ってはきません。
赤鬼は洞窟を覗き込みながらもう一度声をかけてみましたが、いつもは松明で照らされていた部屋は暗く、誰かが居る気配もしません。
赤鬼は人気のない部屋に入り、一枚の手紙を見つけました。
「赤兄貴。私がいつまでも君のそばに居たのでは、折角、仲良くなれた村人と君の間に亀裂がはいってしまうかもしれない。
私はここを去ります。君のさわやかな笑顔を忘れないよ。いつまでも幸せに。 青鬼より」
「兄貴・・・・・・・・!」
赤鬼は泣きました。わんわん泣きました。
本当のともだちは、いつも身近にいたことに、やっと気づいたのでした。
コメント一覧
まぁ、感動したけど
これの原作はモノがある程度わかるようになってからよんで、漸くその素晴らしさがわかったなぁ…
(;ω;)
何が面白くて貼ってるのか本当にわからない。
授業中なのに涙が止まらない。
周りに知られないように必死だった。