コピペ運動会

何事もポジティブに考えるのは重要だけど、
明らかな災厄に「よかった」を見出した場合、
その快哉はあくまで心の内側だけに留めて
おいたほうがいいんじゃないかな。

権限だけ持たされた無能が何にも考えずに
「真夏でも冷房の設定温度は28ドシーが適切！」
と言い始めたせいで、そっちこっちの企業が
男の汗臭パラダイス。一部の女性が「わたしは
冷え性なのでちょうどいいです」とドヤ顔する。
不幸な人間が多いなかで「でもあたしは幸せよ！
そうじゃないあなたがたの生き様に改善余地が
あるのでは？」と言われりゃムカッとくる。

小さい頃に両親から虐待を受けて施設で暮らし、
10歳のときに優しい大工の棟梁に引き取られた
男の子がいたとしよう。その家には弟子たちが
毎日出入りしてみんなで可愛がってくれたけど、
酒を飲んだら全裸が当たり前。大人の男たちの
全裸を日常として育ち、13歳のチン毛はえかけの
いちばん羞恥心が強い時期に「坊ずも裸踊りできる
豪快な男になれ！」と言われて全裸にひんむかれて、
多感な中学生にして羞恥心を失う。後年、大学で
空手部に入って１年生は先輩命令で繁華街裸踊り、
機動隊独身寮全裸乱入公開センズリ、都バスの前に
素っ裸で躍り出て勃起を突き出して往来妨害……
などの辱めを受けるが、大工の息子はいつも平然。
「俺は人前でチンポ出すのが快感だから嬉しいです」
などと言ったら阿呆な先輩たちが余計調子に乗って、
ひいては同期の連中がより不幸になる。それと同じ。
「楽しい」「よかった」はなるべく露わにすることなく、
不幸な顔を装ってりゃ無難に過ごせるんだ。