聞いてくれてありがとうについたコメント

17  名前::2010/02/15(月) 00:02:32  ID:FW6oDFHk 携帯からの投稿
昔、旅館で働いてた時の話。

毎年来てくださるお客様だけど今年は妙に痩せてて元気がなくて気になってね。
大丈夫かと聞いたら『末期でね』と。

家族の反対を押しきって、というか夜中に病院を黙って抜け出してきたんだそうな。

やっぱり好きな事やりたいし、悔い残してもなんだからって。

飯も食えない程衰弱してたけど、毎朝早くに釣りに出掛けて行って、でかい鮭釣ってきた。
『これ、家族にクールで送る分。これは皆で食べてくれ』って目を輝かせてさ。
釣りの話をキラキラしながら話してくれた。

生きるってこういう事なんだろうな。
こんな風に行きたいって思ったよ。


お客様が帰る時。なんて見送ろうか考えたけど。
残酷かもしれんし、偽善みたいかもしれんし、傷付けちゃうかもしれんって思ったけど。
『また来て下さいね』と笑顔で普通に見送った。
これで良かったのか、未だに考えてしまうのだけど。
正解なのかは解らない。
でも、また来て欲しいって思ったのは本当だ。

もう何年もたったけど、あのお客様は未だ僕の中に生きてる。
一週間の連泊で僕の生き方を変えていってしまった。

お客様が描いて送ってくれた綺麗な魚の絵葉書は宝物として大事に取ってある。
ずっと、あの目の輝きを追いかけてる。
18 イイ!コメント
コピペに戻る