コピペ運動会

行きつけの飯屋さん主催の花見で初めて会った男の人。
ジェロみたいな格好の、若くて明るいにーちゃんという印象だった。

彼が一緒に花見に連れて来ていた子供に「何歳？」と訊くと、「5才！」だって。
ジェロさんは二十代前半かなと思っていたのでびっくり。
話を聞くと一番上の子は18才、一番下は5才の全部で8人兄弟らしい。
「し…失礼ですがお年は？」と訊くと「30でーす」と。

勿論実子ではないとのこと。
仕事で出入りしていた私立の施設が資金難その他もろもろで閉鎖されることになったのだが、
一カ所に全員を引き取ってくれるという所は無かった。
子ども達は無一文で投げ出されるわけではなく、他の施設に入れてもらえることにはなっていたが、
それまで家族の様に暮らしてきた子ども達は離ればなれになるのが本当に辛かったとのこと。
「どうにかして、離れずに暮らしたい…」
と一番年長の子に相談されて思わず「じゃあ、ちょっと遠いけどそれで良ければ俺の所に来いよ」と言ってしまったらしい。
「俺に出来ること、無理なこと…それは事前によーく話したよ。共同生活始めました～はいダメでした～じゃ困るから。」
口調は軽い感じだけれど、話す内容はしっかりしてる。
彼は「じゃ、そういうことで。ばんばん稼がないといけないんで、明日も朝早いんですわ～」と言いながら帰って行った。
さわやかなにーちゃんだった。