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「走れメロス」を他の作家が書いたらどうなりますか?についたコメント
9
名前:
名無しさん
:
2012/03/22(木) 00:34:49
ID:L5Ht+Dx9
セリヌンティウスをいつまで信じていたか、なんて事は、
他愛のない世間話にもならないくらいどうでもいい物語だが、
それでも俺がいつまで邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を信じていたかと言うと確信を持って言えるが、最初から信じてなどいなかった。
村に現れる羊は全員笛に反応する動物だと知っていたし、
邪悪が王に貢キスをしている所を目撃した訳でもないのに、邪悪の存在を疑っていた、人一倍にそれに敏感な俺なのだが、
はてさて、父や母や女房や、それらと戦うメロスが、 この世に存在しないのだということに気づいたのはそうとう後になってからだった 。
いや、本当は気付いていたのだろう 。 ただ気付きたくなかっただけなのだ 。
俺は心の底から、十六の内気な妹の花婿が目の前にふらりと出て来てくれることを望んでいたのだ。
やれやれ、俺はそれゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
谷川流
7
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他愛のない世間話にもならないくらいどうでもいい物語だが、
それでも俺がいつまで邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を信じていたかと言うと確信を持って言えるが、最初から信じてなどいなかった。
村に現れる羊は全員笛に反応する動物だと知っていたし、
邪悪が王に貢キスをしている所を目撃した訳でもないのに、邪悪の存在を疑っていた、人一倍にそれに敏感な俺なのだが、
はてさて、父や母や女房や、それらと戦うメロスが、 この世に存在しないのだということに気づいたのはそうとう後になってからだった 。
いや、本当は気付いていたのだろう 。 ただ気付きたくなかっただけなのだ 。
俺は心の底から、十六の内気な妹の花婿が目の前にふらりと出て来てくれることを望んでいたのだ。
やれやれ、俺はそれゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
谷川流