謎設定についたコメント

28  名前::2012/09/21(金) 05:53:44  ID:Q6JQRJEf スマートフォンからの投稿
たかしは、たかしはな、昔メアリーっていう彼女がいたんだよ。
その彼女はスラム街で育った孤児だったんだ。
彼女は貧乏で、行き交う車に花を売っていたが、あまり売れず、
毎日食べる物も無くて、それでもゴミを漁って必死に生きてきた。
そんな中、たまたま出張で来ていたたかしと出逢って恋に落ちたんだ。
たかしと会う時のメアリーは、クリーニング屋で働いている友達に無理言ってドレスとは言わないまでも、普段着ている服とは比べものにならない位に着飾っていたんだよ。
でも、そんな彼女を良く思わないスラム街のかつての友達は、彼女に冷たくあたり、彼女の食糧や私物を盗んだり捨てたりしていた。
でも彼女は、めげなかった。
友達に盗まれていても気にせずに、日に日にやせ細る身ひとつで必死に働いた。
そして、たかしと出逢ってから1年と半年程たったある日、彼女は倒れてしまったんだ。
そこで初めて彼女の生活を知ったたかしは、自分が気がつかなかった後悔に苛まれた。
彼女をもっと設備の良い病院に移そうとしたが、生まれ育った故郷から離れたくなかったんだろう。
スラム街の病院から離れなかった。
日に日に弱っていくメアリー、そんな中たかしはどうすることも出来ずに、ただただ神に祈り続けた。
そして、今から25年前の冬の終わりに、欲しい物なんてねだったことのないメアリーがたかしにこう言ったんだ。
「一度でいいからリンゴやミカンのような甘くて美味しいフルーツが食べたい」

たかしは、走ったよ。
自分で果物なんか買ったことのないたかしは、降っている雨の冷たさを忘れるくらいに。
でも、たかしは気がついていなかったんだ。雨のせいで視界の悪くなった道を猛スピードで迫ってくるトラックに…

だから今でもたかしはリンゴとミカンを買い続けているんだよ。
たかしが病院を出て直ぐに天国へいってしまったメアリーに届けにいく為に。
1 イイ!コメント
コピペに戻る