33 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/31(木) 17:53:44 ID:8W4tS9TM
高1の頃に父がちょっと出世して、一軒家を買おうかということに。それで日曜を利用して不動産巡りみたいなことをしていた。
その中で見た中古の家があった。両親と俺と弟(当時5歳)で行った。
所有者はたしか40歳くらいのご夫婦で、夕方に現場で待ち合わせ。
そのときに住んでいたのはざわついた繁華街の賃貸マンションだったので、
郊外のその一軒家は外から一見すると、とても魅力的だった。
家の中に入れてもらったら、やけに光が弱くて雰囲気が悪い気がした。
それでもご夫婦は「日中はけっこう光入りますよ」みたいなことを。
1部屋ずつ見てたら、いきなり弟がビヤアアアア!!!!!って泣き出した。
「あそこに怖い顔した男の人がいて、こっち見てる」って。
廊下の隅っこを指さし、母にびったりくっついて、
ヒックヒックと嗚咽が止まらなくなってしまった。
父がとっさに、「すいません、この子ちょっと変わった子で。
外で一度こうなると家に帰るまで収拾つかないんですよ。
申し訳ないんですけど、また後日お願いしてもいいですか?」
みたいなことを言い、すぐ帰ることになった。
父は深々と頭を下げて、家族で車に乗り込んだ。弟は泣きやんだ。
堅い表情をした父は、「ちょっとコンビニ見つけたら入るからな」と。
そしてすぐ見つけたコンビニへ入り、塩(食卓塩)を買ってきた。
そして「みんな外出ろ」と俺らを車の外へ出し、いきなりふりかけ始めた。
「お清めだからちょっとだけ我慢しろ」と言い、車にもぱらぱらと。
鈍感な俺はそれでようやく、「あ、あの家に変なのがいたのか!」
と悟り、父に聞いてみた。母はまだ弟をぎっしり抱きしめていた。