三ヵ月前、義姉が死んだ。
もともと体は弱かったが、脳に出来ていた血栓は遺伝的な病気だったらしく、義母と同じ突然の死だった。
俺を産んですぐ亡くなった母、再婚してすぐ亡くなった義母。
彼女等に代わり幼い頃から俺の面倒をみてくれた義姉。
その突然の死は俺の心を喪失させるには十分すぎた。
とても繊細で優しかった義姉…
もう彼女の姿を見ることは出来ない。
もう彼女の声を聴く事は出来ない。
そう思うともう何もかもどうでも良くなり俺は堕落していった。
義姉の居ない世界。
それはただ灰色に染まった荒涼とした世界。
そんな世界で生きていくには俺は弱すぎたらしい。
自ら決別すべく向かったのは俺と義姉の思い出の公園だった。
「浩平は大きくなったら何になりたいのかしら?」
「うん!ボク、おねーちゃんのお婿さんになる!」
「…ふふ、そうね…そうなったら、素敵ね」
幼い頃の思い出が甦る。
人生の締め括りにはここしかない。
俺は十分な強度を確認した木の枝にロープを括り付けて椅子をセットした。
「姉さん、ゴメン…」
なんとなく謝ると椅子に乗り、縄に手をかける。
もともと体は弱かったが、脳に出来ていた血栓は遺伝的な病気だったらしく、義母と同じ突然の死だった。
俺を産んですぐ亡くなった母、再婚してすぐ亡くなった義母。
彼女等に代わり幼い頃から俺の面倒をみてくれた義姉。
その突然の死は俺の心を喪失させるには十分すぎた。
とても繊細で優しかった義姉…
もう彼女の姿を見ることは出来ない。
もう彼女の声を聴く事は出来ない。
そう思うともう何もかもどうでも良くなり俺は堕落していった。
義姉の居ない世界。
それはただ灰色に染まった荒涼とした世界。
そんな世界で生きていくには俺は弱すぎたらしい。
自ら決別すべく向かったのは俺と義姉の思い出の公園だった。
「浩平は大きくなったら何になりたいのかしら?」
「うん!ボク、おねーちゃんのお婿さんになる!」
「…ふふ、そうね…そうなったら、素敵ね」
幼い頃の思い出が甦る。
人生の締め括りにはここしかない。
俺は十分な強度を確認した木の枝にロープを括り付けて椅子をセットした。
「姉さん、ゴメン…」
なんとなく謝ると椅子に乗り、縄に手をかける。