コピペ運動会

容姿に優れた人は、他人に好感を持たれやすく社会的にも経済的にも優遇される傾向があると言われる。
少なくとも、ルックスが良いことで社会的に損をすることはまずありえないように思われる。だが、英国サリー州には、容姿が良すぎるので仕事を解雇された若者がいる。

18歳のジョー・ノーマン君は、サリー州ニューモールデンの工事現場で作業員として働いていた。ただ、現場が少し特殊だった。
Holy Cross Schoolという女子校の拡張工事現場だったのである。同校は、中高一貫のカトリック・スクールである。
どの学年の女生徒たちがファン層の中心であったかはソース記事に示されていないが、ノーマン君のルックス、とりわけ筋肉質でセクシーな体躯が女生徒たちの注目の的になった。
彼女らは、ノーマン君を見るや彼の気を引こうとして口笛を鳴らすようになった。
ノーマン君が女生徒たちの熱視線を浴びていることは、やがて校長の耳に入った。お堅いカトリック・スクールの校長がそれを看過するはずがない。
校長は、このままでは生徒たちが学業に専念する妨げになると判断し、現場の責任者にノーマン君を仕事に来させるなと迫った。
ノーマン君自身の言によれば、女生徒たちの気を逸らすようなことは何もしていないという。
ましてや、そのセクシーな肉体美をこれ見よがしに見せ付けるためにシャツを脱いだりするようなことは決してなかったという。
彼は言う。「そりゃ、僕は肉体労働をしていますから筋肉質ですよ。でも、こんな問題が起きたことは過去に一度もありませんよ。（少女たちの反応には）怖気づいてしまいました」
だが、自分はこんなに辛い目に遭ったのに、仕事仲間たちにはこのことを完璧に「笑いのネタ」にされてしまっているという。
彼がそこまで女生徒たちの人気を集めたのは、筋肉質でセクシーな体躯もさることながら、年齢が18歳と若く、
そして（ソースには明記されていないが）おそらく顔立ちもハンサムだったからだろう。「怖気づいた」と話しているくらいなので、シャイに見える雰囲気も持ち合わせているのかもしれない。
総合的なルックスが良いことは確かだろう。以前、人が他人の美醜を認識するプロセスを調べるために米国ペンシルベニア州立大学心理学部の研究チームが実施した実験の結果を当ブログで取り上げたことがある（リンクは末尾）。その研究を指揮した教授によると、

「魅力的な容姿をしている人が（そうでない人に比べて）社会的にも経済的にも大きく優遇されることは、これまでの研究で何度も何度も立証されてきました。
容姿が優れているほど、収入が高くなり、知的と見られ、他人に注目される度合いが高くなります。幼児でさえ、魅力的な顔を好む傾向があることがわかっています。」

とのことである。ノーマン君が女生徒たちに知的と見られたかどうかはともかく、彼女らに好感（いやそれ以上のものというべきか）を抱かせてしまったことは確かである。
だが、その人自身が置かれている立場と環境によっては、必ずしもプラスに作用するとは限らないという一例をここに見ることができるかもしれない。
彼が仕事をしていた現場が同じ学校でも、男女共学校やカレッジや大学であり、なおかつ女の子たちから同じような反応があったとすれば、
まだ18歳と若く自分のポテンシャルに気づいていなかった彼が「俺って、もしかしてモテるのかな」と自意識を新たにすることができたかもしれない。彼が仮に作業員でなく体育の教師だったらどういうことになっていたかは、ちょっと予想が付かない。
ともあれ、女子生徒たちが自分のファンになってくれたことは、それが原因で職を失ったノーマン君にとっては“ありがた迷惑”の極致であったと言えよう。だが、内心まんざらでもなかったと思われるので、その点を差し引いて以下のように評点しておこう。