『デジモン』って、ちょっと昔に流行った携帯ゲームを知ってるだろうか。そう、あれ。
で、当時小学校5年生くらいだった俺はそのデジモンが欲しくてたまらなかったわけ。周りはみんな持ってるしね。家が貧乏だった俺はいつも指加えて見てたわけだ。
そんな中、誕生日を間近にひかえた俺の所にバアチャンが来てね、「なんか欲しいものない?おばあちゃんなんでも買ったげる!」って…。
バアチャンだってボロいトタン屋根の家に住んであんまり裕福じゃない生活してたくせに…。ところがガキだった俺はそんな事情にもおかまいなく即答で「デジモン!!」って応えてた。
もちろんバアチャンはバアチャンだから頭の上にに激しく「????」を羅列させてた笑
ガキながら必死にどんなものか説明に励んでみる。「だいたいわかった。おばあちゃんそれ探して来るわ!」と、意外に納得したようだった。欲しかったやつが遂に手に入る!友達の輪に仲間入りもできるし、もう俺の未来はバラ色だ!と当時の俺は半端じゃない喜びを抱いて指折り誕生日を待ったのを覚えてる。
それから迎えた誕生日。ケーキこそなかったが、夕飯は滅多に見れないご馳走達だった。
お腹も満足して、いざ待ちに待ったプレゼントが手に入る!と緊張で身構えていると、バアチャンが立ち上がり鞄からゴソゴソと包み紙を取り出してきた。
キターーーーと言わんばかりに目を輝かせ、「誕生日おめでとう」の言葉と一緒に包み紙を受け取り、心の底から「ありがとう」を返して包み紙の紐を解いた。
中から出て来たのは『デジモン』ではなく携帯ゲーム版のテトリスだった。
空気の読めない小学生がすることなんざ誰でも予想がつくだろう。あれほど楽しみにしてたデジモンが幻へと変わった途端、あらんかぎりの力でバアチャンを罵倒した。
バアチャンは謝った。必死に謝った。涙も流していた。「おばあちゃんバカだから…何も知らなくて…ごめんね…本当にごめんね……」
止まない俺の口から出る雑言に両親はキレたが、バアチャンは両親にまで謝りだす。最終的には俺は家を飛び出し、警察に補導されるまでに至り、普段温厚だった俺の中では軽く大事件だった。それから長い間、バアチャンの家はかなり遠かったのもあり、口を聞かない日々が続いた。旅費もないしね。
月日は流れすっかり大きくなって俺も今年で20を迎えた。暑い夏の始まりに、バアチャンが入院したとの知らせを受ける。
末期の胃癌だった。まぁ…よくある話だ。
家族みんなでお見舞いに行った。バアチャンはもうベッドから起きる体力なんかなかった。帰ろうとした頃、何故か最後に俺だけが呼ばれた。見るに耐えないほど痩せこけた腕でバアチャンが手招きする。近くによると元からちっちゃいバアチャンがもっと小さく見えた。もう骨と皮だけだった。
バアチャンがかすれた声で「おいで」と言う。耳を口に近付けるとボソボソっと一言。
「誕生日おめでとう」
もちろん誕生日などではない。ましてや近くもない。しかし、手渡されたあるオモチャ屋の小綺麗な袋には、日付の書かれた誕生日カードと一緒に、紛れもなく『デジモン』が入っていた。
「やっと言えたわ…いっぱいいっぱい探してね…こないだ見つけたよ、デジモン…」
俺はさっぱり状況が理解できなかった。バアチャンはニコニコ笑うだけ。これが俺のためのプレゼントと気付くまで少し時間がかかった。そしてちょっと考えた。
あれからもう10年近くたってる。このデジモンがまず市場で売られているはずがない。だからどれだけ探し歩いて見つけたかは検討もつかない。俺にはただ「ありがとう」っていうくらいしかできなかったけど。バアチャン嬉しそうだった。ちょい泣いたしね。俺も、バアチャンも。
あれから二か月もしないうちにバアチャンは亡くなった。お葬式には親族や知り合いがたくさん集まった。
そこでは俺はやたら声を掛けられた。バアチャンとデジモンと俺。バアチャンの実家一帯では有名な話らしい。
親戚のおじさん曰く、俺の小学生時代から約9年間。本当にデジモンを探し続けていろんな人や店に聞きまわってたんだと。流行が過ぎるのは早く、あの誕生日の日から1年後には既に市場から消えかけていたデジモンを…9年たった今見つけだしたバアチャンはスゴい。結局どこで手に入れたかはわからなかったけど…生半可な苦労じゃなかったのはわかる。
散々文章並べてきてなんだけど…結局はバアチャンに「ありがとう」って言いたいんだ、って話。
本当ありがとな、バアチャン。
で、当時小学校5年生くらいだった俺はそのデジモンが欲しくてたまらなかったわけ。周りはみんな持ってるしね。家が貧乏だった俺はいつも指加えて見てたわけだ。
そんな中、誕生日を間近にひかえた俺の所にバアチャンが来てね、「なんか欲しいものない?おばあちゃんなんでも買ったげる!」って…。
バアチャンだってボロいトタン屋根の家に住んであんまり裕福じゃない生活してたくせに…。ところがガキだった俺はそんな事情にもおかまいなく即答で「デジモン!!」って応えてた。
もちろんバアチャンはバアチャンだから頭の上にに激しく「????」を羅列させてた笑
ガキながら必死にどんなものか説明に励んでみる。「だいたいわかった。おばあちゃんそれ探して来るわ!」と、意外に納得したようだった。欲しかったやつが遂に手に入る!友達の輪に仲間入りもできるし、もう俺の未来はバラ色だ!と当時の俺は半端じゃない喜びを抱いて指折り誕生日を待ったのを覚えてる。
それから迎えた誕生日。ケーキこそなかったが、夕飯は滅多に見れないご馳走達だった。
お腹も満足して、いざ待ちに待ったプレゼントが手に入る!と緊張で身構えていると、バアチャンが立ち上がり鞄からゴソゴソと包み紙を取り出してきた。
キターーーーと言わんばかりに目を輝かせ、「誕生日おめでとう」の言葉と一緒に包み紙を受け取り、心の底から「ありがとう」を返して包み紙の紐を解いた。
中から出て来たのは『デジモン』ではなく携帯ゲーム版のテトリスだった。
空気の読めない小学生がすることなんざ誰でも予想がつくだろう。あれほど楽しみにしてたデジモンが幻へと変わった途端、あらんかぎりの力でバアチャンを罵倒した。
バアチャンは謝った。必死に謝った。涙も流していた。「おばあちゃんバカだから…何も知らなくて…ごめんね…本当にごめんね……」
止まない俺の口から出る雑言に両親はキレたが、バアチャンは両親にまで謝りだす。最終的には俺は家を飛び出し、警察に補導されるまでに至り、普段温厚だった俺の中では軽く大事件だった。それから長い間、バアチャンの家はかなり遠かったのもあり、口を聞かない日々が続いた。旅費もないしね。
月日は流れすっかり大きくなって俺も今年で20を迎えた。暑い夏の始まりに、バアチャンが入院したとの知らせを受ける。
末期の胃癌だった。まぁ…よくある話だ。
家族みんなでお見舞いに行った。バアチャンはもうベッドから起きる体力なんかなかった。帰ろうとした頃、何故か最後に俺だけが呼ばれた。見るに耐えないほど痩せこけた腕でバアチャンが手招きする。近くによると元からちっちゃいバアチャンがもっと小さく見えた。もう骨と皮だけだった。
バアチャンがかすれた声で「おいで」と言う。耳を口に近付けるとボソボソっと一言。
「誕生日おめでとう」
もちろん誕生日などではない。ましてや近くもない。しかし、手渡されたあるオモチャ屋の小綺麗な袋には、日付の書かれた誕生日カードと一緒に、紛れもなく『デジモン』が入っていた。
「やっと言えたわ…いっぱいいっぱい探してね…こないだ見つけたよ、デジモン…」
俺はさっぱり状況が理解できなかった。バアチャンはニコニコ笑うだけ。これが俺のためのプレゼントと気付くまで少し時間がかかった。そしてちょっと考えた。
あれからもう10年近くたってる。このデジモンがまず市場で売られているはずがない。だからどれだけ探し歩いて見つけたかは検討もつかない。俺にはただ「ありがとう」っていうくらいしかできなかったけど。バアチャン嬉しそうだった。ちょい泣いたしね。俺も、バアチャンも。
あれから二か月もしないうちにバアチャンは亡くなった。お葬式には親族や知り合いがたくさん集まった。
そこでは俺はやたら声を掛けられた。バアチャンとデジモンと俺。バアチャンの実家一帯では有名な話らしい。
親戚のおじさん曰く、俺の小学生時代から約9年間。本当にデジモンを探し続けていろんな人や店に聞きまわってたんだと。流行が過ぎるのは早く、あの誕生日の日から1年後には既に市場から消えかけていたデジモンを…9年たった今見つけだしたバアチャンはスゴい。結局どこで手に入れたかはわからなかったけど…生半可な苦労じゃなかったのはわかる。
散々文章並べてきてなんだけど…結局はバアチャンに「ありがとう」って言いたいんだ、って話。
本当ありがとな、バアチャン。
コメント一覧
ドラゴンバスターを買ってきたと言う話の改変だよね
じいちゃんにポケモン買って貰ったの思い出した
ずっといいじゃん
お婆ちゃんが作ったパイを届けたら「私このパイ嫌いなのよね」と言われたことを思い出した
魔女の宅○便か
金持ちだからこそ甘やかさない様にしてるんだと思うが。
わからないなんておこちゃまねー
オッパイ飲みたいの?
エド・はるみか
たまに会うとお茶も出さずに文句ばっか言ってくるし
それ最初に言えよ
つーか>>10はネタだろw
ケチだから金持ちになれたパターンと予想。
ちなみにババの名台詞「お菓子は食べるものじゃなく見てるものだ」
死んでも微塵も悲しくないだろうな。
懐かしいな。あの頃は良かった。
「ありがとう」を言えてよかったね
まず最初に婆ちゃんに謝れよ。
泣ける話じゃなくてムカつく話じゃないか。
ありがとうを言ってからあの時はごめんな
位は言えないのか
こいつの器はかなり小さいこととばぁちゃんの優しさに涙しかわからん
でも単純にイイ話と思えない人もいるよねやっぱり
だからありがとうでいいんだよ、きっと
喜ぶ顔が見たいだけなんだ それくらいの無償の愛情だよ
甘やかして育てた結果だろ。ウチなんてお年玉貰ってお礼言わなかっただけで平手打ち数回くらって正座1時間させられたぞ。
それからどんな物でも貰ったら三回はお礼を言うようになった。
とりあえず道徳の授業は真面目に聞け
なぜなら彼は特別な存在だからです
小学生ならしゃーないってww
きもち悪い
何でリクエスト聞いたんだよ
買えない時点で孫に正直に言えば傷も浅くてすんだろうに
普段貧乏で我慢を重ねてる子どもにこの仕打ちはねーよ
自分の子どもには絶対に味あわせたくない
町内の皆さんが協力して子供たちに厳しいルールを条件にエアガン遊びが許されてた
俺も持っていたが壊れてしまってそれをおじいちゃんに嘆いていたら
新しいのを買ってきてくれたんだ
しかしそのエアガンをコッキングしようとしても死ぬほど固くて本気で力いっぱい引いて一発打つを繰り返していた
一時そのエアガンで近所の友達に猛威をふるっていたが
ある時親がそれを見て「他の子のエアガンに比べて威力がおかしい」ってなって調べた結果18禁ということがわかって取り上げられた
他の子たちは10禁を使っていたため猛威をふるっていた
取り上げられたため、再びエアガンを失った俺におじいちゃんは弾丸のような形した物体に弾をつめてガスをつめて
一気に2~30発のBB弾を発射する銃を買ってきてくれたが問答無用で取り上げられて一発も自分で撃ててない