残業してたら疲れ果ててしまって、
もう本当にこれは疲労のせいだとしか思えないんだけど、
「もしも僕にお姉ちゃんが居たら」的な物語を
関根勤レベルの作詞・作曲能力でオリジナルソング化して歌っていた。
会社のデスクで残業しながら、くちずさんでいた。
しばらくノリノリで歌い続けたのちに、
斜め奥のデスクから書類をめくる物音がすることに気が付いた。
なんか、居たみたいなんだよね。
他にも残業してる社員が。
あぁぁやばい、聞かれたー……と思ったんだけど、でもここで歌うのを止めたら、
「フロアに誰も居ないと思って自作のお姉ちゃんソングを歌ってた恥ずかしい奴」と思われる。
思われるって言うか、その通りなんだけど。
でもこれはどうにか乗り切らなきゃ、もう明日からタイムカードに打刻できないぞと思って、
がんばって歌い続けながら(ちょっと声震えてたかも知れない)、
どうしようどうしようと悩んだ結果、起死回生の策をひらめいた。
「そうだ。いま歌ってた曲は僕のじゃなくて“クレイジーケンバンドの曲”って事にしよう」
あまり有名じゃないけど、セカンドアルバムの6トラック目くらいに入ってますよ的な曲。
……ということにしようと閃いた。
クレイジーケンバンドって、ネーチャンをどうしたいとか、こうしたいとか歌ってそうだから……。
ネーチャンをナンパしてどうとか……。
クレイジーケンバンドの曲をちゃんとフルで聴いたこと無いからわからないけど、
たぶんそんな感じの歌がいっぱいあるような気がする。
今となっては「桑田佳祐でもいけたかも」とも思う。
でもあのときはクレイジーケンバンドしか頭に無かった。
非常に追い詰められていたから。
自分なりにチョイ悪をイメージしてクレイジーケンバンドらしさを醸し出しつつ、
「夏だよね~、海だよね~、水着のネーチャン~」
みたいな歌詞を必死に紡ぎ出しながら歌い続けた。
歌ながらも頭の中は真っ白で、歌詞の詳細は思い出せない。
それだけだとクレイジーケンバンドだと気づいてもらえないかもしれないので、
より“らしさ”を出すために「GT! GT!」の掛け声もちょっと織り交ぜてみた。
多少強引な気もするけど、斜め奥の社員も残業で疲労困憊しているはずなので、
細部にこだわらず、このくらい攻めたほうが上手くいくのではないかとの決断だった。
僕は歌い続けた。
すべての罪を、見ず知らずのクレイジーケンバンドに擦り付けるために。
(さっきにも増して声震えてたかも知れない)
そっと引き出しからMP3プレイヤーとイヤホンを取り出して、耳へ突っ込み、
いかにも「MP3聴いてたら、つい歌っちゃってスミマセン」的な演出もした。
でも本当にプレイヤーから流れている曲は矢野顕子だった。
死にそうだった。
そんな必死の努力の甲斐あって、
なんとか取り繕うことが出来たみたいなので、いまはほっとしている。
だって斜め奥の社員からは何も言われなかったから。
ナイスリカバリー。
もう本当にこれは疲労のせいだとしか思えないんだけど、
「もしも僕にお姉ちゃんが居たら」的な物語を
関根勤レベルの作詞・作曲能力でオリジナルソング化して歌っていた。
会社のデスクで残業しながら、くちずさんでいた。
しばらくノリノリで歌い続けたのちに、
斜め奥のデスクから書類をめくる物音がすることに気が付いた。
なんか、居たみたいなんだよね。
他にも残業してる社員が。
あぁぁやばい、聞かれたー……と思ったんだけど、でもここで歌うのを止めたら、
「フロアに誰も居ないと思って自作のお姉ちゃんソングを歌ってた恥ずかしい奴」と思われる。
思われるって言うか、その通りなんだけど。
でもこれはどうにか乗り切らなきゃ、もう明日からタイムカードに打刻できないぞと思って、
がんばって歌い続けながら(ちょっと声震えてたかも知れない)、
どうしようどうしようと悩んだ結果、起死回生の策をひらめいた。
「そうだ。いま歌ってた曲は僕のじゃなくて“クレイジーケンバンドの曲”って事にしよう」
あまり有名じゃないけど、セカンドアルバムの6トラック目くらいに入ってますよ的な曲。
……ということにしようと閃いた。
クレイジーケンバンドって、ネーチャンをどうしたいとか、こうしたいとか歌ってそうだから……。
ネーチャンをナンパしてどうとか……。
クレイジーケンバンドの曲をちゃんとフルで聴いたこと無いからわからないけど、
たぶんそんな感じの歌がいっぱいあるような気がする。
今となっては「桑田佳祐でもいけたかも」とも思う。
でもあのときはクレイジーケンバンドしか頭に無かった。
非常に追い詰められていたから。
自分なりにチョイ悪をイメージしてクレイジーケンバンドらしさを醸し出しつつ、
「夏だよね~、海だよね~、水着のネーチャン~」
みたいな歌詞を必死に紡ぎ出しながら歌い続けた。
歌ながらも頭の中は真っ白で、歌詞の詳細は思い出せない。
それだけだとクレイジーケンバンドだと気づいてもらえないかもしれないので、
より“らしさ”を出すために「GT! GT!」の掛け声もちょっと織り交ぜてみた。
多少強引な気もするけど、斜め奥の社員も残業で疲労困憊しているはずなので、
細部にこだわらず、このくらい攻めたほうが上手くいくのではないかとの決断だった。
僕は歌い続けた。
すべての罪を、見ず知らずのクレイジーケンバンドに擦り付けるために。
(さっきにも増して声震えてたかも知れない)
そっと引き出しからMP3プレイヤーとイヤホンを取り出して、耳へ突っ込み、
いかにも「MP3聴いてたら、つい歌っちゃってスミマセン」的な演出もした。
でも本当にプレイヤーから流れている曲は矢野顕子だった。
死にそうだった。
そんな必死の努力の甲斐あって、
なんとか取り繕うことが出来たみたいなので、いまはほっとしている。
だって斜め奥の社員からは何も言われなかったから。
ナイスリカバリー。
コメント一覧
こいつ絶対CKBフルで聞いてるだろ