813 :名無しさん@お腹いっぱい:02/03/15 09:54 ID:FIBnFan1
職場に回ってきた社報です。ちょっといい話なので長いですが紹介させてもらいます。 執筆されたのはその会社の社長さんです。ちなみに私はその会社の社員ではありませんが。
(その1)
先日、新幹線の列車自動制御(COMTRAC)の開発に従事した面々が集まり、
座談会を催した。開発に当時の国鉄東京の部隊15名と、(日立)大みか工場の若
いエンジニア数十名が参加したのが、今を去ること31年前の71年(昭和46年)
である。当時は、計算機による列車制御の実用化はまだなされていなかった。
(日立)のリーダーは入社11年目の主任技師、6年生が2人、残りは、1、2年生
で構成されたチームであったが、それよりも計算機システムの経験者が4、5
人というひどいものであった。また、「時速200km超の列車の運転を計算機
に任せて大丈夫か。万一計算機が故障、誤作動したときどうなるのか」との
心配が先行していた。
814 :名無しさん@お腹いっぱい:02/03/15 09:54 ID:FIBnFan1
(その2) こうした中、私は、計算機が故障したときの挙動を計算するという課題を
解くため数ヶ月格闘した結果、1台の計算機では安全でないことが明らかにな
ったことから、2台の計算機で計算し、結果を照合して進路を制御する「デュ
アル計算機構成」を提案した。しかし、今度は片方の計算機の故障をどのよ
うにして正しく把握・判断するのかという難題に直面した。そこで、3台の計
算機があれば、いずれか2台の一致で制御できることに着眼し、計算機の故障
診断用に小さな第3の装置を設け、照合不一致の場合、予め決められた診断プ
ログラムを実行し、第3の装置で診断結果を判定することで、3台の計算機設
置時と同等の信頼性を確保する方式を開発した。これが日本初の本格的な「デ
ュアル(二重系)システム」である。
815 :名無しさん@お腹いっぱい:02/03/15 09:55 ID:FIBnFan1
(その3) ソフト部隊の開発は、時間との競争であった。72年3月の運転開始まで14ヶ
月しかない。制御仕様が固まったのが6月、ソフトの完成が12月、テスト期間
が3ヶ月しか無いという強行軍を、Z旗(本物)を掲げて、三交代24時間体制
で乗り切った。体力だけが頼りだった。来る日も来る日も難題続きであったが、
工場全体が応援してくれた。若い精神力は時間に負けなかった。
816 :名無しさん@お腹いっぱい:02/03/15 09:55 ID:FIBnFan1
(その4) 3月15日の朝、5時58分、新幹線が新大阪駅、つづいて東京駅を自動制御で
出発した。皆、放心状態で出発を告げる制御盤のランプを見つめていた。そ
の日は、不思議なことに無事、新幹線は運行された。が、翌日にはソフトバ
グで手動運転となった。しかし、手動運転のオペレータは、システム修復を
待ってくれた。そして、自動運転が可能なことを認めてくれた。自動運転に
なると自らの職場を失うというのに、である! ありがたかった。
条件に恵まれた開発というものはない。苦労を伴わない仕事というものもない。
失敗を積み重ね、24時間必死に考え続け、考えた積分だけ、成功への道が拓ける
ものである、という教訓を得た。若い頃の思い出である。(了)
コメント一覧
ここを見てる学生諸君はしっかり勉強するようになwww
投稿者は面白いと思ったんじゃねえの?
つまんねえけど
テレビでやったら面白い話だろうけど、文章だと頭に入ってこない
平気で他人にそれを要求するから困る。
一度に何千人もの命を預かるシステムの開発現場が、こんなギリッギリでやらされてたなんてそら恐ろしいわ。
triple modular redundancy というやつ。
欠点は「たまたま間違った答えが2つのコンピュータから出力された場合に
それを正しいと判断してしまうこと」
長くて読む気になれん。
要約:がんばった。
最後の「条件に恵まれた開発というものはない。
苦労を伴わない仕事というものもない。失敗を積み重ね、24時間必死に考え続け、
考えた積分だけ、成功への道が拓けるものである」だけ見て、
だから若い人に無茶させていい、期間が短くていいという考えになって
「足らん足らんは工夫が足らん」で押さえつけるんだろうね。