890 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/05/12(水) 01:03:11 ID:bKKiHb5X
朧月の、静かな夜だった。投網漁を楽しんでいた石井八郎左衛門は、散歩中らしき侍に声をかけられた。
「どうだい、獲れるかね?」
「ああ!今夜は大漁だ。」そう答え、魚籠を水面から引き上げて侍に見せてやった。
「おお、ずいぶんでかいフナがおるな!」
「この大きさのヤツが、あと二匹はおるぞ?」
「明日はご馳走だな、うらやましい!…どうだね、できれば一つ……」
侍が魚籠に手を伸ばすと、
「! さわんじゃねぇぇえ!このクソヤロー!!
いいか、こっちはこう見えても主君持ちだ!こういう時はな、殿様にいいヤツを差し上げて、
自分は小さい魚でガマンするのが忠義ってモンだ!テメエも侍なら覚えとけ!!」
「そ、それは殊勝なお心がけ。大変失礼したっ!」侍は、あわてて宵闇の中に逃げ去った。
朝、目覚めた鍋島勝茂は、料理番に今日の献立の希望を問われたが、
「まあ、少し待ってろ。今にいいものが来るから…」
「?」
そこへ石井八郎左衛門が、台所にタライを持ってやって来たとの知らせが入った。
「昨夜、獲れたばかりのフナにござる。殿に召し上がっていただきたく、お持ち致しました。」
タライには見事な大きさのフナが数匹、泳いでいた。
「ほら、な?」短く言って、勝茂は満面に笑みを浮かべた。
コメント一覧
侍に言った通り、ちゃんとでかいのをあげたってこと??
お前の読解力に失望した。
朧月で気が付かれなかったが散歩中の侍は石井八郎左衛門の殿である鍋島勝茂だった
だから「いいもの」がくる事を知ってたし献上された立派なフナ以上に石井八郎左右衛門の忠義を思ってニンマリって事だろ
こうしておけば解説厨が一から十まで言ってくれて他の奴が恥かかなくて済むだろ
テメエも運動会来るなら覚えとけ!
そ、それは殊勝なお心がけ。大変失礼したっ!
ジョークを説明する人は…カエル…カエルのようなものだと…
カエルのジョークには誰も興味ない…みたいな?
誰も喜ばないし、その為にカエルは死ぬ。
というかジョークですらないがな
よってこれは創作
ググったら葉隠に載ってる話らしい
下級武士はそうそう面通しがかなうものでもないし仕方ないか
顔なんかほとんど見えねーよ
自演かと思う程に素晴らしい流れ
その時取れる鮒を捌いて酢につけ大根や鷹の爪の刻んだのとあわせ白味噌で味を整える
それが香川県郷土料理のてっぱい
嘘だー、だって香川にはうどんしかないじゃないか(過言)
生はヤバイ
朧月夜とあるので人相まで分からなかったってことでしょう
現代と違って昔の夜はかなり暗かったので
しかもフナは敏感なので灯りも使えなかったと思われます
そして、イサキは大漁だ。