357 名前:人間七七四年[] 投稿日:2008/12/17(水) 20:14:00 ID:Pv7ERzlu
北条と佐竹が、下野において争った折の事北条方の武士、岡部権太夫は首を一つとって陣へと帰ってきたが、何かおかしい。
よくよく身の回りを見ると、なんと自分の指物がなくなっている。
「しまった!落としてきたか!」
そう悟ると、「ゴメン、ちょっと行って来る。」
北条家の者達が唖然とする間もあればこそ。彼は首を引っさげたまま、再び
佐竹の陣へ向かって馬を駆けた。
敵陣近くまで来ると、岡部は大音声を上げた
「わしは下総の住人、岡部権太夫と申す!今日の戦において敵と組討し、首を一つ取ったが、
そのおり我が指物を落としてしまった。
この首はまだ、実験に入れてはおらぬ。出来ることならこの首と我が指物を、取り替えて
いただきたい!我が指物は猪の紋である!」
すると佐竹側から一騎が進み出てきた。手に、指物を持っている。
「戦場で拾い申した!これの事でござるか!?」
「おお!いかにも!」
そこで、指物と首を交換し、互いに分かれて自陣へと帰っていった。
このことは両陣において、ゆかしき振る舞いであると、評判になった。
コメント一覧
雑兵の首まで検分はしまい
首を取ったが、手柄の報告はしていないってことかな。
口頭での納品報告だけではダメだから、上役立会いのもとに検品作業をするんだわ
釘を使わない工芸品とかって出てきたけど、武将が持ってた物ってどんなの?
旗指物のこと
花の慶次で、蛮頭が命を賭してまでして「倒すわけにはいかんのじゃ~」と立て続けたのも頷ける
現代人にしてみればホラーだな。
死んでまで
「※ただしイケメンに限る」
なのかよ……
夢も希望も幻のごとくだな……
あるいは威儀を正すために化粧することがあったから