コピペ運動会

フェイスブックにはとても上げられない内容になっていたｗｗ
だからここに投下しとくｗ

音大時代に、ある授業でこんな話を聞いたことがある。
（と言っても今から10年以上前の段階ではあるが）

『カセットテープやアナログレコードは、寿命を迎えた結果どうなるかはもうわかっている。
　カビが生えたり、温度変化で撓んだり、再生の構造上表面が劣化して読み込まなくなったり、
　再生機器そのものの寿命がそもそも…』だとか。

『けどCDはまだ歴史が浅いので、「寿命」というのをどういう形で迎えるのかはまだ「未知」である』
　というような…そんな感じだった気がする。
それから10年以上経った今ではどうなんだろうか。

CDの発祥自体は1983年頃だそうで、いま34歳の僕が2歳とかの頃のようだ。
しかし、まだまだシェアは1%以下で、カセットとレコードが5分5分だったりしたようだ。
とはいえ、それからメキメキと1985～86年あたりにCDがシェア10～20%までいったようだとか。
（そうしていつしか、カセットもレコードも廃れて、CDが主流になり、今ではそのCDも廃れ、
　MDなんかに至っては無かったことにされｗｗ　1曲ごとにデータでDLとかの時代になり…のようだ）

ということで、まぁCD自体の歴史が『ざっと30年』としたとして。
メーカーごとの主張の寿命は様々で、アルミニウムの反射膜がどうのこうの、
環境によってどうのこうので、80～100年などと謳っているところもあるようだが、
結局は20～30年が限度と見積もられている、ということらしい。
…歴史が30年なのに、寿命が30年…？？？というのもどうなのか。
つまり「見積もり」に過ぎず、やはりまだ「証明」が成されていない段階なようだ。
そしてそのまま、まだ消えてこそいないものの、その証明に至る前に廃れ初めてしまった。
まぁカセットやレコードも同じく、保存状態が良ければ今でも聞ける年代物だって存在するだろうし、
結局は寿命なんて断定できるものではないのだろうが。

…ということで、別に「これまで買ったCD、もしこれから立て続けにダメに
なったらどうしてくれるんだ問題」を提起したいワケではなくｗ

上記は例え話のようなもので、実は僕が話したい本筋は
「認知症を患った大山のぶ代さん」であったりする。

大山のぶ代さんといえば、ドラえもんの声を1979年から26年も担当していたのが恐らく1番有名だが、
あの黒柳徹子さんなどと共に日本のTV創世記から活躍しており、
日本の声優界の開祖の時代の人という事になる。
徹子さん81歳、のぶ代さん78歳。
ここ何年か前に亡くなったベテラン声優の方々も、生きてたとして恐らく100歳は超えてないかもしれない。
それもそのはず、日本のTV放送は1953年からなようで、日本のTV史はまだ62年しかないのだ。

「ドラえもん」や「サザエさん」のように、
形は変われど20年も30年も、ましてそれ以上続いているTVアニメは幾つあるだろうか。
「あの声と言えばあの人」というのが定着するには何が必要で、何年ぐらい必要だろうか。

「サザエさん」の主要キャラで言えば、波平・カツオ・ワカメなどが、死去や引退などで交代した
（「僕が見ていた時期」「一声優さんの担当が一番長かった時期」の話であり、
　実はのぶ代さんがカツオの声をしてた時期とかは割愛）が、
主役のサザエさんの声優、加藤みどりさん(75)はまだ現役を続行中である。
適した言葉が見つからないが、「亡くなってしまっていてもおかしくない歳」でもあるが
「まだご存命でもおかしくない歳」でもある。
今の最古のベテランの方々は、そういう御年の方々である。

CDの例え話まで用いて何が言いたいかと言うと、
「この声優＝このキャラクター」という図式を20～30年以上のキャリアを経て、
当時存命の原作者と共にまで確立してきた人をチェンジした行く末、というのがまだ証明されていない、
ということ。
「アレはあの時代のことで、過去のことだった」と突き付けられる事実が、
一個人レベルでなく、国の一世代レベルのことで起こったケースが、アニメという形においては未だない、
ということ。

のぶ代さんは確かにドラえもんを引退したが、現役は続行中である。
認知症を患い、得意料理や入浴に至るまで、日常生活すらままならない状態になりつつ、
まだ「仕事」の意欲を見せているという。
つまり、過去の人でもあり、まだ過去の人ではない。

「あの声」で育ち「あの声」を愛する俺らに出来ることってなんだろう。
「やっぱりドラえもんの声はのぶ代さんじゃなきゃ」「わさびなんて」って
ノスタルジーに染まって排他的に主張し続けることなのか。
それとも「今の子はわさびさんのドラえもんしか知らないし」
「のぶ代さんは過去のひと」とスッパリ割り切って、
歴史の価値を消してしまって心機一転すれば済むのか。

どっちでもない気がする。
今のドラえもんがあるのはのぶ代さん達がいてくれたから。
そこは絶対消しちゃいけない。
それにマンガ原作との対比を言われれば、大山時代のドラえもんが真理とも言いきれないし、
いっそ引退と共に終わってしまってれば、とも言い切れないはず。
けど、80代になるお爺ちゃんお婆ちゃんに向かって「やっぱり貴方じゃなきゃ」
なんて酷なことも言っちゃいけない。
「お父さん・お母さんが育ったのは、こういう声のドラえもんでだったんだよ」
って、確実に伝えていって、残していってほしい。

カセット・レコード・MD・CDみたく、
「そんなんもあったっけ」程度で風化させてしまっていい人じゃないのに、
そうなってしまいそうなのが凄く嫌だ。
今の時代を動かしてる世代の人が育つ傍らに居てくれたあの声の人が、
そんな扱いされて終わっていいと思わない。
国民栄誉賞だか人間国宝だか、そういうの与えられるべきぐらいの人と本気で思ってる。
大ヒットした「あるもの」が残るも廃れるも、人々の記憶に残るも消えるも、「もの」による。
大山ドラが残るか消えるかってのは、俺らがもっと「正しく評価」することなんじゃないかな。
永遠には続かない、けど、どんどん変わって新しくなればイイものでもない。
残ることができる、残るべきもののはずと思う。
それを、「キレイに残す」方法を、そろそろ皆もっとちゃんと考える時期になってきたと思わないか？

すぐにでも逝ってしまう前提で話すワケではないけど、
それでももはや80前後の認知症患った、レジェンドだよ。
「やっぱり私が続けなきゃダメだったかなぁ…」と送るか、
「しっかり良いもの残して受け継げた」と送るか、どうしてあげられるかは俺らじゃないか？