579 :本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 18:05:35.95 ID:yH5id7QC0
危機一髪だった話 大学の時、夏休みの前にゼミのメンバーがリゾートバイトを見付けてきた
リゾートバイトといっても今は寂れてしまった避暑地で、
そこにある別荘の掃除をしてくれというもの。
二泊三日でアゴ・マクラ付き、俺らはゼミの5人(男3人、女2人)で行くことにした
駅に着いたら別荘の管理人のおっさんが来て、バンで別荘地に連れてってくれた
別荘は古いものの結構でかい洋館で、庭にプールもある立派な別荘だった
しかし、すげーすげーと騒ぐ俺らをよそに、
ただ一人、メンバーのAさんだけが黙っている
普段からおとなしいタイプではあったけど、
来る途中は皆と同じように楽しそうにはしゃいでいたので
どうしたんだろうと思ってたら、いきなりAさんのケータイが鳴った
電話に出るAさん。通話が終わった後、いきなり俺らと管理人のオッサンに向かって言った
580 :本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 18:07:29.85 ID:yH5id7QC0
「すいません。今ゼミの先生から電話があって、全員戻って来いって言われてしまいました。 もうじき学会があって、ちょっと都合が悪くなってしまって……。
ここまできてすいません、バイトをキャンセルさせて下さい」
いきなりそんなこと言われても、と渋るオッサン
「今日中に作業しなきゃいけないんだよ、誰か君たちの代理で来てもらえる友達はいないの?」
「すいません、それも難しいと思います」
きっぱりと言い切るAさん
どういうことなんだ、と俺が訊こうとすると俺の横にいたBがいきなり、
「あーそうだ!俺ら、先生に作業頼まれてたんだった!締切明日だから帰らなきゃ!」
「すいません、本当にすみません。私たち、これで帰ります。
駅までは歩いて帰るので、送っていただかなくても構いませんので」
Aさんはもう一人の女の子の手をぐいぐいひっぱって歩き始めた
Bも「んじゃ、すいません。俺らも帰ろうぜ」とうながすので、俺らもお辞儀して帰った
ちらっと振り向くと、おっさんは別荘の方を見たまま突っ立ってた
581 :本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 18:09:00.49 ID:yH5id7QC0
駅まで歩きながら「ねえ、先生なんて言ってきたの?」とAさんに聞くと 「電車乗ってから話す」と教えてくれない。Bも黙ってうなずいてた。
電車に乗り、駅を二つほど過ぎたころ、やっとAさんが教えてくれた
「ごめんね、先生からの電話なんてホントは嘘なんだ。
ただ、あの別荘怖かったから、絶対長居しない方が良いと思って……」
なんだそりゃ、と俺らが言うと、Bがボソッと言った
「お前ら、見なかったのかよ。ほら、プールの水の下にあっただろ?
底に壺とかマネキンの手足が重しつけてバラバラに転がってたの」
「えっ?」
怪訝な声を出すAさん
「あれ?Aさん、それで断ったんじゃないの?」
「違うよ。私が断ったのは、窓際のところに草刈鎌持った女の人がいたからだよ」
Aさんによると、窓にはしめ縄みたいなものが何重にも張ってあって、
中にいた女は白目向いたまま、そのしめ縄を一心不乱に鎌で切ろうとしていたらしい。
別荘に入らなくて良かったと心底思った
コメント一覧
館の中で暴れる女を見て、こっそり1分後にタイマーセット
俺のガラケーには「見せかけ着信」という機能がある
Aさんは多分これを使ったんだろう
危ないところだったな
寺生まれってやっぱりすごい