686 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/08/28(土) 10:48:14 ID:cZbQQ9J2
「水神様の負け惜しみ」佐賀藩鍋島家に成富兵庫茂安という、このスレでも知名度の高い武将がいた。
建竜造寺隆信に仕えた時から有名な武辺者で、今山の合戦でわずか12歳で(ムリヤリ)初陣を飾り、
藤津の合戦では隆信から「一日に十度の武功があった」として十右衛門の名を与えられたほどである。
それでいて、鍋島家の時代になってからは水利工事で凄まじい手腕を発揮したチート武将でもある。
彼が手がけた工事は100ヶ所近くにおよび、それらを有機的に結合させることで利水・排水・洪水対策をやってのけた。
この為、佐賀では水争いや百姓一揆がほとんど無かったという。
どこか一ヶ所でもこのシステムを壊してしまうと、佐賀平野全体に影響が及ぶ為、むやみに暴れられなかったからだ。
実際、戦後までこの水利システムには手がつけられなかった。
例えば現代の専門家ですらこんなことを語っている。
島谷幸宏 しまたにゆきひろ
九州大学大学院教授
国土交通省土木研究所河川環境研究室長を経て現職。専門は河川工学、河川環境。
『僕は、武雄河川事務所に赴任したときに、「今の技術、計算技術などをもってすれば、
絶対に成富兵庫茂安の仕事を越えられる」と思っていました。
それで六角川(ろっかくがわ)の遊水地の計画を立ててみると、彼がつくった遊水地とほとんど一緒だったんです。
俺は何やってるんだろう、と思いました。彼がやったことは、間違いなく「最適」だったんです。』
んで、そんな茂安は工事の時にも農民たちに気を使い、農繁期には彼らを使わないようにしたり、時には身分を隠して彼らに混ざったという。
千栗(ちりく)の土居(堤防)工事の時のことである。茂安が百姓に混じっていると、こんな話し声が聞こえた。
「兵庫様はこの土居に杉の木を植えて、その根で土居を頑丈にするつもりらしいぞ」
「あの人も意外にバカだな。杉なんて根が浅いから強風で倒れちゃうじゃん。そしたら土居まで痛んじゃうよw」
茂安「そ、そうなんだ・・・・・・じゃ、お前ならどうする?」
「ん?俺なら笹を植えるな。根がしっかりしてるから、風で飛ぶことも水に流されることもない」
このやりとりのあと、茂安はさっそく笹を植えさせたのである。
が、その後方にはしっかりと杉を植えさせていた。
茂安「笹が剥き出しじゃカッコ悪いから杉で隠すんだよ!それに洪水の時に馬や牛を繋いでおけるじゃないか!(杉の苗を用意してた俺の立場がないじゃん!)」
後に水神とまで呼ばれた男のちょっとだけカッコ悪い話。
コメント一覧
>建竜造寺隆信
これって建の字はいらないと思う