伝わるもの
コピペ投稿者:名無しさん
投稿者ID:JIIT1zXY
コピペ投稿日時:2017/04/14 20:43
コピペ投稿日時:2017/04/14 20:43
224 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2010/08/14(土) 21:46:47 ID:JAu2/Zwg
「夜の墓場って何か独特の雰囲気あるよね?」 はしゃぎ声の奈々の問いかけにも、俺は緊張で「ああ…」としか返事ができなかった。
「ここにはね私の家の先祖代々のお墓もあるのよ。お盆だし…出るかもよ」
少し後悔気味の俺の手を引いて奈々は、夜道をどんどん進んで行く。
「ねぇドキドキしてる?」「この状況でドキドキしない奴はいないだろ」
「大丈夫だって。私がついてるから」奈々は握った手に力を込めた。
「あれ…」「ど、どうしたんだ?」俺の鼓動が高鳴った。
「…おばあちゃんだ。ねぇ、見て見て!私たちに手を振ってるよ」
「ば、馬鹿!お、俺に見える訳ないだろ!」
「ごめん、つい…だってみんな居るから…」「み、み、みんなだって!?」
「うん、お母さん、お兄ちゃん、やだぁお父さんまで…」
思わず俺は奈々の手を振りほどいて逃げ出したくなった。
だがそんなことをしても、この辺りに不案内の俺が右往左往するのは目に見えている。
俺はその気持ちを堪えて奈々に従った。
「ねぇ、私のこと変わった女だなんて思ってない?」
「…えっ」今まで聞いたことのない、奈々のしおらしい声だった。
そうだった、奈々だっていろんな思いや不安を抱えて俺とここを歩いているんだった。
逃げ出したいなんて思った俺が馬鹿だった。俺は覚悟を決めた。
「は、初めまして…、わざわざお出迎えありがとうございます。今日は奈々さんとの
結婚のお許しを頂きに参りました。見ての通りの男ですが、奈々さんを思う気持ちは
誰にも負けません。どうかよろしくお願いします」
「まあまあ玄関先じゃ何ですし、まずは中にお入りください。奈々、ご案内してあげて」
奈々は、「はい」と答えると、俺の右手からそっと白杖を受け取り、家の中に招き入れた。
コメント一覧
お、俺は理解できてたし…!!からのイイ連打連打連打
絶対嫌だ
そういうのホントやめよ?