ユキオ
コピペ投稿者:名無しさん
投稿者ID:MQAj56jL
コピペ投稿日時:2019/02/15 02:06
コピペ投稿日時:2019/02/15 02:06
俺が小学生の頃、クラスにユキオって男の子が転校してきた。
小柄で細身な、体が弱そうな奴だった気がする。
ユキオには両親がいなくて、じいちゃんとばあちゃんと暮らしていた。
俺たちは、その事情も最初は知らなかったし、転校生で気が弱そうってだけで
なんとなくイジメの対象にしてしまっていた。
けれど、ユキオはイジメられても全然泣いたり怒ったりしないし
先生に告げ口することもなかった。
だから全然面白くなくて俺たちは、だんだんとユキオをイジメるのに飽きてやめていった。
ユキオは学校をよく休んでいた。見た目通り病弱だったのだろうか?
うちの学校では、休んだ奴の家に給食のパンと手紙を届けるっていうのがあって
仲の良い奴か一番家の近い奴がその役割だったんだけど、俺がユキオの家に届ける役目だった。
ユキオの家は木造の一軒家で、いかにも古くてじいちゃんばあちゃんが住んでそうな家だった。
中には入ったことなかったけど、暗い雰囲気がなんとなく怖くて
いつも玄関でパンをじいちゃんかばあちゃんに渡してそそくさと帰っていたんだ。
でも、ある日パンを届けにいくと珍しくユキオ本人が出てきた。
風邪ひいてるからなのかいつもよりも顔色が悪かった。
ユキオは俺に、家にあがっていけと促した。
「〇〇があるから一緒に遊ぼう」って。〇〇は俺が欲しかった玩具だった。
なんとなく嫌だったけど、断れないし玩具が気になって家に入ったんだけど
ユキオの部屋に入るなり、俺は嫌な汗をかいた。
部屋の至るところにシールやらステッカーが貼ってあって、
その中に紛れてお札のようなものも貼ってあった。
「なんだ、これ?」
「ああ、おじいちゃんとおばあちゃんがお札を貼るんだけど、
それだけだとなんとなく怖いし、シールも貼ってるんだ。」
その日は、1時間位ユキオの部屋で玩具で遊んで帰った。
次の日もユキオは学校を休んでいた。
先生がユキオの様子を、俺に訪ねた。
「ユキオから休むっていう連絡もないんだけど、どんな様子だった?」
「…具合悪そうだったよ。」
「そうか、電話も出ないんだよなぁ。 今日行ったら、連絡はちゃんとしろって伝えてくれ。」
その日もユキオの家で遊んだ。ユキオは玩具をたくさん持っていた。
羨ましく思って聞くと「お父さんとお母さんが買ってくれた。」と言った。
「お父さんとお母さんどこにいるの?」知らないふりをして聞いた。
「死んだ。」
「…なんで?」
「交通事故。」
なんだか重い雰囲気になったので話題を変えた。
「明日は学校行く?」
「わかんない。」
「…お前、大丈夫か?休む時は連絡しろって先生言ってたぞ。おじいちゃんとおばあちゃんは?」
「奥の部屋にいるよ。」
「じゃあそう伝えてな。」
「…眠れないんだ。」
「ん?」
「お父さんとお母さんが夢に出てきて、僕のことを呼ぶんだよ。」
「…。」
「ユキオユキオって何度も何度も、それが怖くて眠れない。」
「…。」
沈黙が続いた。なんだか怖くなってきて、俺は「そろそろ帰るよ」と言って家を出た。
次の日もユキオは学校を休んだ。
先生は一緒にいくと言って、帰りに俺を車に乗せユキオの家へ行った。
玄関から呼んでも返事はなかった。先生は何か察したように家に入っていった。
ユキオの部屋にも居間にも誰もいない。ユキオの部屋の奥に部屋があった。
こないだユキオが言っていた「奥の部屋」だろう。
先生がそこの襖を開けた。
その瞬間、先生は青い顔をして襖を閉めた。
一瞬だったけど、俺からも部屋の中が少し見えた。
ユキオの血塗れの顔が見えた。
それから、先生が警察を呼んだと思う。記憶があまりない。
ただ、その部屋で死んでいたのはユキオだけでなくじいちゃんばあちゃんも一緒だったと聞いた。
何日か経った時、先生にユキオが見ていた夢の話をした。
すると先生が教えてくれたんだ。ユキオの親の死因は自殺だったこと、一家心中を図っていたこと。
ユキオは運良くか生き延びて、じいちゃんばあちゃんに引き取られたこと。
俺はその話を聞いても、驚かなかった。
警察の取り調べでも、ユキオの夢の話をした。
「本当にその日、君はあの家でユキオ君からその話を聞いたのかい?」
「うん。」
警察は不可解な顔をした。
その後先生が警察と話して、俺にもその内容を教えてくれた。
俺たちがあの部屋でユキオが死んでいるのを発見した時、
間違いなくユキオ達は死んで3日は経っていたことを。
小柄で細身な、体が弱そうな奴だった気がする。
ユキオには両親がいなくて、じいちゃんとばあちゃんと暮らしていた。
俺たちは、その事情も最初は知らなかったし、転校生で気が弱そうってだけで
なんとなくイジメの対象にしてしまっていた。
けれど、ユキオはイジメられても全然泣いたり怒ったりしないし
先生に告げ口することもなかった。
だから全然面白くなくて俺たちは、だんだんとユキオをイジメるのに飽きてやめていった。
ユキオは学校をよく休んでいた。見た目通り病弱だったのだろうか?
うちの学校では、休んだ奴の家に給食のパンと手紙を届けるっていうのがあって
仲の良い奴か一番家の近い奴がその役割だったんだけど、俺がユキオの家に届ける役目だった。
ユキオの家は木造の一軒家で、いかにも古くてじいちゃんばあちゃんが住んでそうな家だった。
中には入ったことなかったけど、暗い雰囲気がなんとなく怖くて
いつも玄関でパンをじいちゃんかばあちゃんに渡してそそくさと帰っていたんだ。
でも、ある日パンを届けにいくと珍しくユキオ本人が出てきた。
風邪ひいてるからなのかいつもよりも顔色が悪かった。
ユキオは俺に、家にあがっていけと促した。
「〇〇があるから一緒に遊ぼう」って。〇〇は俺が欲しかった玩具だった。
なんとなく嫌だったけど、断れないし玩具が気になって家に入ったんだけど
ユキオの部屋に入るなり、俺は嫌な汗をかいた。
部屋の至るところにシールやらステッカーが貼ってあって、
その中に紛れてお札のようなものも貼ってあった。
「なんだ、これ?」
「ああ、おじいちゃんとおばあちゃんがお札を貼るんだけど、
それだけだとなんとなく怖いし、シールも貼ってるんだ。」
その日は、1時間位ユキオの部屋で玩具で遊んで帰った。
次の日もユキオは学校を休んでいた。
先生がユキオの様子を、俺に訪ねた。
「ユキオから休むっていう連絡もないんだけど、どんな様子だった?」
「…具合悪そうだったよ。」
「そうか、電話も出ないんだよなぁ。 今日行ったら、連絡はちゃんとしろって伝えてくれ。」
その日もユキオの家で遊んだ。ユキオは玩具をたくさん持っていた。
羨ましく思って聞くと「お父さんとお母さんが買ってくれた。」と言った。
「お父さんとお母さんどこにいるの?」知らないふりをして聞いた。
「死んだ。」
「…なんで?」
「交通事故。」
なんだか重い雰囲気になったので話題を変えた。
「明日は学校行く?」
「わかんない。」
「…お前、大丈夫か?休む時は連絡しろって先生言ってたぞ。おじいちゃんとおばあちゃんは?」
「奥の部屋にいるよ。」
「じゃあそう伝えてな。」
「…眠れないんだ。」
「ん?」
「お父さんとお母さんが夢に出てきて、僕のことを呼ぶんだよ。」
「…。」
「ユキオユキオって何度も何度も、それが怖くて眠れない。」
「…。」
沈黙が続いた。なんだか怖くなってきて、俺は「そろそろ帰るよ」と言って家を出た。
次の日もユキオは学校を休んだ。
先生は一緒にいくと言って、帰りに俺を車に乗せユキオの家へ行った。
玄関から呼んでも返事はなかった。先生は何か察したように家に入っていった。
ユキオの部屋にも居間にも誰もいない。ユキオの部屋の奥に部屋があった。
こないだユキオが言っていた「奥の部屋」だろう。
先生がそこの襖を開けた。
その瞬間、先生は青い顔をして襖を閉めた。
一瞬だったけど、俺からも部屋の中が少し見えた。
ユキオの血塗れの顔が見えた。
それから、先生が警察を呼んだと思う。記憶があまりない。
ただ、その部屋で死んでいたのはユキオだけでなくじいちゃんばあちゃんも一緒だったと聞いた。
何日か経った時、先生にユキオが見ていた夢の話をした。
すると先生が教えてくれたんだ。ユキオの親の死因は自殺だったこと、一家心中を図っていたこと。
ユキオは運良くか生き延びて、じいちゃんばあちゃんに引き取られたこと。
俺はその話を聞いても、驚かなかった。
警察の取り調べでも、ユキオの夢の話をした。
「本当にその日、君はあの家でユキオ君からその話を聞いたのかい?」
「うん。」
警察は不可解な顔をした。
その後先生が警察と話して、俺にもその内容を教えてくれた。
俺たちがあの部屋でユキオが死んでいるのを発見した時、
間違いなくユキオ達は死んで3日は経っていたことを。
コメント一覧
理屈はわからないけどとにかくイジメっ子が吹っ飛ばされて死んだ
やはり寺生まれはクソ
ユキオとヒロシを思い出してしまう
自分が情けないようで微笑ましくもある
済まない
消されたのはイジメっ子の方だったか
撤回して謝罪する