季節の便りについたコメント

8  名前::2012/06/16(土) 22:50:50  ID:itnmKtVP 携帯からの投稿
でもねぇ、この前久しぶりに自由な時間が出来たんでねぇ、
いつも和ませてもらってるし、たまにはご挨拶にでも、と思って、
隣の部屋の呼び鈴を押したんだ。
ところが何にも反応がないもんですからねぇ、あぁ、昼間は留守なんだなぁ、じゃあ夕方また来ようかなぁなんて思って、
自室に戻ろうかというときに、大家さんが歩いてきたんです。
「あ、こんにちは。いつもお世話になってます」
「こんにちは。あれ、この部屋に何か?」
「えぇ、ちょっと季節の挨拶でも申し上げようかなぁ、なんて思いまして。でもまあお留守みたいですし、夕方また来ます」


そう言ったらね、大家さん、怪訝な顔しましてねぇ、「えぇ…?今この部屋には誰も住んではいませんよ?」と、こう言ったんですねぇ。


あれぇ?妙に変だなぁ。
だって、毎晩毎晩僕の心を楽しませてくれたあの声は、間違いなくこの部屋から聞こえてたんだ。
間違いなく住んでるはずなんだ、小学生くらいの女の子がいる家族が。
そう言ったんですがねぇ、「いやいや、それくらいの女の子がいる家族なんて他にもいっぱい入居していらっしゃるんだし、
多分他のどこかから聞こえてきたのを聞き間違えたんだよ。大体この部屋はね、15年前から誰にも貸さないことにしたんですよ」


やけにムキになるんですねぇ、これが。


なのでわけを聞きたいと言ったら、「それだけは言えない」と。
極めつけはねぇ、「じゃあお手数では御座いますが、合鍵持ってきて開けてみていただけますか」って言うと、ガタガタガタガタっと震えだしたんです。
同時に、この部屋の扉の向こうから、こう、クッチャササササササっと何かが這いずり回るような音がしましてねぇ。


僕は空気が読める子ですから、これ以上は何も訊きませんでしたよ。まあ、察してしまったんですがねぇ。


こんなことって、あるもんなんですねぇ…
9 イイ!コメント
コピペに戻る