世界が俺の敵になったについたコメント

6  名前::2016/12/12(月) 21:18:08  ID:y6+cljlG スマートフォンからの投稿
月末になるとゆうちゃんは
薄い給料袋の封も切らずに
必ず横町の角にある
郵便局へ飛び込んで行くのだった
同僚たちはそんな彼を見て
貯金が趣味のしみったれた奴だと
酒の勢いであざ笑うけど
ゆうちゃんはにこにこ笑うばかり

僕だけが知っているのだ
ゆうちゃんはここに来る前にたった一度だけ
とても悲しい過ちを犯してしまったのだ
配達帰りの雨の夜
横断歩道の人影に
ブレーキが間に合わなかった彼は
その日とても疲れてた

人殺し
あんたを許さないと彼を罵った
被害者の奥さんの足下で
彼はただ大声で泣きながら
頭を床にこすりつけるだけだった

それから彼は変わった
なにもかも
忘れて働いて働いて
許されるはずもないがせめてもと
毎月あの人に仕送りをしている
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