356 :名無しさん@お腹いっぱい。 2009/12/03(木) 10:35:33
シーサー物語 これは沖縄がまだ「琉球」と呼ばれていた時代の話。
ある日、村で唯一の陶芸家が置物を作った。
彼は実像を抽象的に変換して作品を作るタイプの作家で、
モチーフと作品の像の一致にはこだわらなかった。
また、それが彼の作品の味にもなっていた。
彼のもとに一件の依頼が舞い込んできた。
「獅子を象った作品を2点お願いしたい」
彼は苦悩した。獅子というものを見た事がなかったのだ。
村の長老衆に聞いても、帰ってくるのは伝説の話ばかりで、
それぞれの口から聞こえる獅子の姿はバラバラだった。
彼は決心する。「俺の獅子を作ろう」と。
約半年の歳月ながれ、彼は2対の置物を完成させた。
鋭い眼光を携え、恐怖を具現化したような姿は、
彼の目にはなぜか神々しく映っていた。
依頼者のもとへ一対納品し、残る一対は玄関に飾る事にした。
自分の作品を広く見てもらいたいとう意思もあったのだろう。
道行く人々が彼の作品に目を奪われ、一人の男が惚けたように言った。
「これは一体なんだね?」彼は神の使者のように威厳を込めて答える。
「これは獅子というものだ」
さらに別に男が聞く。「これは一体なんだね?」男は答える。「獅子だ」
また別の男が聞く。「これはなんだ?」男は答える。「だから獅子だ」
別のところから聞こえる。「なんというものなんだ?」
男は苛立を露に叫んだ。「これは獅子さー!獅子さー!シーサー!」
こうして、シーサーは守り神として、島中へと増えていったのである。
という妄想をしてみた。
コメント一覧
閉じてるほうが雌
という妄想をしてみた
本当に「獅子」を沖縄語で読んだのがシーサーなんだな。
微妙に事実に基づいてるのがムカつく……。