745 :本当にあった怖い名無し:2008/03/04(火) 13:37:58 ID:ZBw2Gw3M0
子供の頃の体験。自分の通う小学校の地域には、児童館はあっても図書館がなくて、
児童館自体も小規模で、遊具も卓球台が1台あるだけで、ろくに揃っていなかった。
なので、ちょっと離れた隣の学区の、児童館もある大きな図書館に行くことが多かった。
そこの児童館は、当然ながら違う小学校に通う子供ばかりで、
いじめっこ風の奴や、上級生っぽい奴に気をつかわないで済むことと、
珍しい遊具があったので、多少遠くても苦にならずに、頻繁に通っていた。
その児童館の遊具で一番人気で、一番目立っていたものがある。
それは遊戯室のど真ん中に置かれた、直径3Mくらいの球体の遊具。
頑丈なダンボールで出来たそれの表面には、いくつかの丸い穴があり、
そこから入って、迷路みたくなった内部を通って、中央の大きな空洞にたどり着けるようになっていた。
球体内部の通路の幅は、小学校低~中学年程度の子供が一人、這ってギリギリ通れる程度で、
当然ながら、内部で人とすれ違うことは出来ない。
なので、内部で誰かと鉢合わせたときは、気の弱いほうが後退して遊具から出なければならなかった。
それから、低・中学年の子供でも、太めの子は内部で身動きが取れなくなる可能性もあり、
ちょっと太めだった自分は、内部で詰まった時の脱出&救出シミュレーションをよく脳内でしていた。
まず、大人が入れるサイズではないので、穴から手だけ伸ばして足をひっぱってもらうか、
最悪は、ダンボールを切ってもらわないと出られないだろう、という結論だった。
そんな太めの自分は、内部でだれかと鉢合わせて後退するのも手間どるので、
なるべく人の少ないときを見計らって、その遊具で遊ぶことにしていた。
とはいえ、人気の遊具なので、空くときはなかなかない。
たいていの場合、仲良しグループと思われる数人が占拠していて、
3~4人がぎゅうぎゅうに入れる中央部分で、閉館ギリギリまで延々とおしゃべりを続けていることが多かった。
746 :本当にあった怖い名無し:2008/03/04(火) 14:03:45 ID:ZBw2Gw3M0